ジョー・ブラントン

ジョー・ブラントン：捕手からメジャーリーガーへ至る波瀾万丈なキャリア

ジョー・ブラントンは、1980年12月11日、アメリカ合衆国テネシー州ナッシュビルで生まれました。高校時代までは捕手としてプレーしていましたが、ケンタッキー大学進学後に投手へ転向。この決断が、彼の人生を大きく変えることになります。大学時代には、後にメジャーリーガーとなるブランドン・ウェブとチームメイトとして切磋琢磨しました。

2002年、オークランド・アスレチックスからMLBドラフト1巡目追補で指名を受け、プロ入りを果たします。2004年にメジャーデビュー。当初は中継ぎとして3試合に登板したのみでしたが、翌2005年には先発ローテーションに定着。オークランド移転後、新人最多となる33試合に先発し、12勝を挙げる活躍を見せます。防御率3.53、WHIP1.217はリーグ10位以内に入る好成績でした。同い年のダン・ヘイレンと共にチームの躍進に貢献したのです。

2006年は16勝を記録するも、被安打増加により防御率は4.82と前年より悪化しました。2007年には230イニングを投げ、14勝10敗、防御率3.95と安定した成績を残します。しかし、アスレチックスがポストシーズン進出を諦めたことにより、チームは若手育成のため主力選手のトレードを開始。エース格だったヘイレンも移籍しました。

2008年は、ヘイレンの移籍に伴いエースの座を引き継ぎ、東京ドームで開催された開幕戦にも先発登板。しかし、この年は不振に陥り、前半戦だけで5勝12敗、防御率4.96と苦戦を強いられます。7月には、チームメイトのリッチ・ハーデンもトレードで移籍。

そして迎えた7月17日、ブラントン自身もフィラデルフィア・フィリーズへトレードで移籍します。フィリーズでは4勝を挙げ、ワールドシリーズにも出場。自身初出場ながら勝利投手となり、打者としても本塁打を放つ活躍を見せました。この年はフィリーズがワールドシリーズを制覇した年でもありました。

その後、2012年にはロサンゼルス・ドジャースへ移籍。オフにフリーエージェントとなり、2012年12月にはロサンゼルス・エンゼルスと2年契約を結びました。しかし、2014年には自由契約となり、古巣アスレチックスとマイナー契約を結んで2試合に登板した後、現役引退を発表します。

引退後も野球への情熱を捨てきれず、2015年にはカンザスシティ・ロイヤルズとマイナー契約を結び、再びメジャー昇格を果たします。その後、ピッツバーグ・パイレーツを経て、2016年にはドジャースへ復帰。この年はリリーフに専念し、75試合に登板。7勝2敗、防御率2.48、WHIP1.01という素晴らしい成績を残し、通算100勝まであと1勝に迫りました。

2017年にはワシントン・ナショナルズと契約。この年、ついに通算100勝を達成しますが、防御率は5.68とやや低迷しました。シーズン終了後、FAとなり、その後はメジャーリーグでのプレーはありませんでした。

ブラントンの投球スタイルは、低めに集める制球力と、多彩な球種を駆使した打たせて取るピッチングが特徴でした。球種は、フォーシーム、シンカー、カット・ファストボール、カーブ、スライダー、チェンジアップと多岐に渡り、特に四球が少ないことも強みでした。独特の投球フォームは、かつて捕手をしていた経験が影響していると考えられています。

捕手から投手へ転向し、メジャーリーグで100勝を達成したジョー・ブラントン。彼の波瀾万丈な野球人生は、多くの野球ファンに感動を与え続けました。彼の活躍は、これからも語り継がれることでしょう。

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