ジョー・メドウィック

ジョセフ・マイケル・メドウィック

ジョセフ・マイケル・メドウィック（1911年11月24日 - 1975年3月21日）は、1930年代から1940年代にかけてメジャーリーグベースボール（MLB）で活躍した著名な野球選手です。左翼手として活躍した彼は、特にセントルイス・カージナルスでのプレーで知られています。メドウィックはニュージャージー州カータレットに生まれ、ハンガリー系移民の両親を持つ彼は、キャリアの初期から才能を発揮しました。

プロ入りと初期の活躍

メドウィックは1932年にセントルイス・カージナルスに入団し、1年目からその実力を証明します。初年度は26試合に出場し、打率.349の成績を残し、2年目からはレフトのレギュラーとして定着しました。彼のユーモラスでよたよたした歩き方から「Ducky」という愛称を持っていましたが、彼のプレースタイルが激しく変化すると、チームメイトから「Muscle」と呼ばれるようになりました。

1934年のワールドシリーズ

1934年、メドウィックはワールドシリーズに初出場します。このシリーズでは、デトロイト・タイガースとの試合で重要なプレーをしましたが、その激しい滑り込みが原因で対戦相手の選手に接触し、厳しい反響を呼びました。メドウィックは、ファンからの批判を受け、コミッショナーの決定により第7戦の出場停止となってしまいます。

打撃成績の向上

しかしながら、彼のバッティングは1935年から爆発し始めます。1935年には224安打、打率.353、126打点を記録し、翌1936年にはリーグ最多の223安打と打率.351、138打点を数えます。この年には月間で50安打を2度達成するという偉業も成し遂げました。特に1937年は、彼のキャリアのハイライトとも言える年で、本塁打31本を放ち、本塁打王に輝きました。さらに、打率.374、154打点を記録し、三冠王にも選出されています。彼はその年、オールスターゲームでも、史上初の4安打を放つ選手となるなど、圧倒的な存在感を示します。

ブルックリン・ドジャースへの移籍

1940年、メドウィックはセントルイスからブルックリン・ドジャースにトレードされますが、新たなチームでの挑戦は容易なものではありませんでした。移籍後すぐに頭部に投球を受け、脳震盪を起こすという重大なケガを負います。この事故はその後の彼のパフォーマンスに影響を与えましたが、驚異的な速さで回復し、すぐにチームに復帰します。

後のキャリアと引退

戦後はドジャース、ニューヨーク・ジャイアンツ、ボストン・ブレーブスと渡り歩くも、1947年にカージナルスに復帰し、1948年には20試合に出場します。その後1952年までマイナーリーグでプレーし、選手兼任コーチとしても活動しました。現役引退後は古巣カージナルスのアドバイザーとして、選手たちに教えを伝え続けました。

野球殿堂入りと最期

メドウィックは、その激しい気性から多くの対立があったため、長くアメリカ野球殿堂入りには至りませんでしたが、メジャーリーグから引退後20年を経て、1968年にようやく殿堂入りを果たしました。1975年、彼はフロリダ州で心臓発作により63歳で亡くなりました。メドウィックのキャリアは多くのファンに愛され続け、彼の記憶は野球界に色濃く残っています。

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