ジリアン・トルネス

ジリアン・トルネス・バルガス：キューバが生んだ世界的ソフトボール選手

ジリアン・トルネス・バルガス（Yilian Tornés Vargas、1992年2月13日生まれ）は、キューバのグランマ州ヒグアニー出身の女子ソフトボール選手で、投手として活躍しています。イリアン・トルネスと表記されることもあります。

ソフトボールとの出会いとキューバ代表としての活躍

10歳という早い時期にソフトボールを始めたジリアンは、その才能を開花させ、2010年にはキューバ代表に選出されます。以来、パンアメリカン大会や中央アメリカ・カリブ海大会といった主要な国際大会で、キューバ代表の主戦投手としてチームを牽引してきました。2023/24年のワールドカップでは、WBSC（世界野球ソフトボール連盟）によって注目選手の一人として紹介されるなど、その実力は国際的にも高く評価されています。

ヨーロッパでの挑戦：イタリア・セリエA1での成功

2019年、ジリアンはイタリア・セリエA1のカゼルタ・アカデミーに入団し、海外リーグに挑戦します。初年度からチームの年間11勝のうち8勝をあげるなど、その実力を発揮しました。2020年の新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたものの、2021年からは同じセリエA1のレアヴェンドルス・カロンノでプレー。2022年、2023年には、勝利数、防御率、奪三振数などの主要な部門でリーグトップクラスの成績を収めました。

特に2023年シーズンは、登板した21試合全てを完投し、17勝（リーグ2位）、4敗、防御率0.58（リーグ1位）、奪三振228（リーグ1位）という圧倒的な成績を残し、リーグを代表する投手としての地位を確立しました。

欧州カップウィナーズカップでの準優勝とチームメイト

2023年の欧州カップウィナーズカップでは、グレタ・チェッケッティと共にレアヴェンドルス・カロンノの2枚エースとして活躍し、チームの準優勝に大きく貢献しました。この時のチームには、元日本代表の江口未来子選手や、SGホールディングスギャラクシースターズを退団したばかりのグレタ・チェッケッティ選手、ベネズエラ代表のユルビー・アリカルト選手など、国際色豊かなメンバーが集まっていました。

新たな挑戦：リーガ・メヒカーナ・デ・ソフトボルへ

2024年、ジリアンは新しく創設されたリーガ・メヒカーナ・デ・ソフトボル（LMS）のエル・アギラ・デ・ベラクルスに入団し、新たな挑戦をスタートさせました。前年12月に行われたドラフト会議では、投手全体1位で指名を受けるなど、その期待の高さがうかがえます。1月25日に行われたスルタネス・フェメニルとの開幕試合では先発投手を務め、チームを勝利に導きました。

人物像とエピソード

名前の「Yilian」は、原語での発音では「ジリアン」に近いとされています。

キューバ代表として、また海外リーグでの活躍を通じて、ジリアン・トルネス・バルガスは、ソフトボール界にその名を刻み続けています。今後の更なる活躍が期待される、注目の選手です。

もう一度検索