ジルワダイ

ジルワダイの反乱とモンゴル帝国の内紛

ジルワダイ（モンゴル語: J̌ilwadai、詳細な生没年不明）は、13世紀初頭にモンゴル帝国に仕えたコンギラト部族長デイ・セチェンの子孫です。彼は1276年に発生した「シリギの乱」に呼応し、挙兵しましたが、結局は鎮圧されて命を落としました。

シリギの乱の背景

シリギの乱は、クビライ政権に不満を抱いていたトルイ系の王族たちが原因となり勃発しました。特にシリギとトク・テムルが中心人物として知られる中、シリギがカアンとして推戴され、クビライ政権に叛旗を翻す事態に至ります。この叛乱に際し、ジルワダイもまた反乱軍に加担します。

さらに、彼の一族であるコンギラト部は、当時デイ・セチェンの息子アルチ・ノヤンの息子オロチンが当主として君臨していました。ジルワダイはオロチンの弟だったとされ、内部でも複雑な血筋を持つことが重要なバックグラウンドであったのです。

ジルワダイの行動

1276年の冬、ジルワダイはシリギの乱に応じて兵を挙げ、コンギラト部の根拠地である応昌を包囲します。彼はさらに北上してシリギ軍との合流を企てました。これに対抗するため、クビライは多くの将軍を派遣し反撃に出ます。具体的には、ウルウト部やマングト部の部隊、さらには新興のキプチャク・アスト軍が編成され、シリギおよびジルワダイに対する大規模な軍事行動が開始されました。

しかし、ジルワダイとの合流を目指していたトク・テムルは、事前に到着していたキプチャク軍によって進行を妨害され、合流できませんでした。結果、ジルワダイは単独で大元ウルスの軍勢と戦うことを余儀なくされ、そしてこの戦闘で彼は敗北を喫します。この戦闘の際、ジャライル部出身のトゴンが顕著な活躍を見せ、後にクビライから表彰されることになります。

最後の運命

敗北し逃げることができたジルワダイでしたが、追跡してきた耶律元臣に捕らえられてしまいます。彼はこの功績により、応昌に駐屯することとなります。ジルワダイの叛乱は最終的に鎮圧され、モンゴル帝国内の権力争いは続いていきます。

結論

ジルワダイの挙兵は、当時のモンゴル帝国における内部対立を象徴しています。このような争乱は、帝国の統治体制に対する不満の表出であり、他の部族との協力関係や対立も複雑に絡む中で展開されました。彼の短い生涯と反乱は、モンゴル歴史の一端を成し、権力移転の苦しさや内乱の影響を示す事例として記憶され続けています。

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