ジロ・デ・イタリア 2009

ジロ・デ・イタリア2009：100周年を飾る激闘の記録

2009年5月9日から5月31日にかけて開催されたジロ・デ・イタリア2009は、記念すべき第92回目の大会であり、1909年の初開催から数えて100周年という特別な意味を持つ大会でした。

大会の概要

コースプレゼンテーションは2008年12月13日にヴェネツィアのフェニーチェ劇場で行われました。コースはヴェネツィアの沖合いに位置するリード島をスタートし、ローマをゴールとする設定。また、100周年を記念して、マリア・ローザのデザインはドルチェ&ガッバーナが担当しました。

レースプレビュー

前年覇者であるアルベルト・コンタドールはツール・ド・フランスへの出場準備のため欠場となりました。しかし、ツール・ド・フランスで7連覇を達成（後にドーピングで剥奪）したランス・アームストロングが電撃的にジロ初参戦を果たし、リーヴァイ・ライプハイマーのアシストを務めるという強力な体制でアスタナ・チームがチーム連覇を目指しました。また、ダニーロ・ディルーカ（2007年優勝）、出場停止から復帰したイヴァン・バッソ（2006年優勝）、2年ぶりにジロに参戦するダミアーノ・クネゴ（2004年優勝）、そして「最後のジロになるかもしれない」と語ったジルベルト・シモーニ（2001年、2003年優勝）、ステファノ・ガルゼッリ（2000年優勝）といった過去のジロ覇者たちが集結。さらに、2008年に総合4位となったフランコ・ペッリツォッティ、2008年ツール・ド・フランス覇者のカルロス・サストレ、2005年と2007年のブエルタ覇者であるデニス・メンショフなど、100周年にふさわしい強力なメンバーがマリア・ローザを争うことになりました。また、2008年に頭角を現したマーク・カヴェンディッシュと、出場停止から復帰したアレッサンドロ・ペタッキという新旧スプリンター対決にも注目が集まりました。

ルートの変更

5月19日に行われる予定だった第10ステージは、当初1949年のジロ第17ステージで使用されたコースが用いられる予定でした。このコースは、ファウスト・コッピが5つの峠を全てトップで通過してステージ優勝を果たした伝説的なコースでしたが、崖崩れなどの危険性からルートが変更されました。スタート地点であるクーネオとゴール地点のピネローロは変更されませんでしたが、フランス国内には入らず、クーネオからピネローロへ直接北上した後、アヴィリアーナ、スーザ、ウルクスを経由し、セストリエーレからは当初のルートを使用してピネローロにゴールすることになりました。また、5月27日の第17ステージは、ゴール付近に残る雪の影響でコースが短縮されることになりました。

レースレビュー

第1ステージは3年連続となるチームタイムトライアル。チーム・コロンビア＝ハイロードが優勝し、カヴェンディッシュが初代マリア・ローザを獲得しました。第2、第3ステージでは、ペタッキが連勝し、完全復活をアピール。第3ステージ終了時にはマリア・ローザを奪取しました。初の山岳ステージとなった第4ステージでは、ディルーカが勝利し、トーマス・ルヴクヴィストがマリア・ローザを獲得。続く第5ステージではメンショフが勝利し、ディルーカがマリア・ローザに袖を通しました。第6ステージではスカルポーニが勝利。第7ステージはボアソン・ハーゲン、第8ステージはシウツォウとチーム・コロンビア＝ハイロード勢が連勝。第9ステージは勝負中止となり、カヴェンディッシュがステージ優勝。休養日明けの第10ステージではディルーカが2勝目を挙げ、第11ステージはカヴェンディッシュが勝利。第12ステージの個人TTでは、メンショフが勝利し、マリア・ローザを奪取しました。第13ステージはカヴェンディッシュが勝利し、リタイア。第14ステージはジェラン、第15ステージはベルタニョッリが勝利。第16ステージはサストレが勝利し、メンショフがディルーカとのタイム差を広げました。第17ステージはペッリツォッティ、第18ステージはスカルポーニが勝利。第19ステージはサストレが勝利し、メンショフとディルーカの差が縮まりました。最終第21ステージはコノヴァロヴァスが勝利し、メンショフが総合優勝を果たしました。

ドーピング問題

大会後、ディルーカの血液サンプルからCERAの陽性反応が検出され、出場停止処分を受けました。

ジロ・デ・イタリア2009は、数々のドラマと激闘が繰り広げられた記憶に残る大会となりました。

もう一度検索