リーヴァイ・ライプハイマー

リーヴァイ・ライプハイマー：輝けるキャリアとドーピング問題の影

リーヴァイ・ライプハイマー (Levi Leipheimer, 1973年10月24日-) は、アメリカ合衆国モンタナ州ビュート出身の元プロ自転車ロードレース選手です。ドイツ系アメリカ人であることから、ドイツ語風の表記「レヴィ・ライプハイマー」も用いられることがあります。また、かつては英語読みの「ライフェマー」という表記も広く使われていました。

スキーから自転車へ転向

当初はスキーの滑降選手として活躍していましたが、夏場のトレーニングの一環として始めた自転車競技にのめり込み、転向を決意します。アマチュア時代には、1995年のツール・ド・ナミュールで総合優勝を飾り、1996年にプロ選手としてデビューしました。

プロとしての活躍

1998年にサターンと契約した後、1999年には全米選手権個人タイムトライアルで優勝。さらにパンアメリカン競技大会個人ロードレースで2位、ツール・ド・ブオスで総合優勝と輝かしい成績を残しました。

2000年には、当時最強の選手であったランス・アームストロングが所属するUSポスタルサービスに移籍。2001年のブエルタ・ア・エスパーニャで総合3位に入るなど、着実に実力をつけました。その後、ラボバンク、ゲロルシュタイナーとチームを渡り歩き、ツール・ド・フランスでは2002年総合8位、2004年総合9位、2005年総合6位と上位に食い込みました。特に2005年は、アームストロングの7連覇（後にドーピングが発覚）を争うほどの活躍を見せました。2006年にはドーフィネ・リベレで総合優勝を達成するなど、実力と安定感を示しました。

2007年にはディスカバリー・チャンネルに移籍し、ツアー・オブ・カリフォルニアで優勝。同年のツール・ド・フランスでは、コンタドール、エヴァンスらと激しいマイヨ・ジョーヌ争いを繰り広げ、総合3位という好成績を収めました。この年はさらに、ドイツ・ツアーで2位、全米選手権個人ロードレースで優勝と充実したシーズンとなりました。

2008年にはアスタナに移籍。ツアー・オブ・カリフォルニアで優勝を果たしたのち、北京オリンピック個人タイムトライアルで銅メダルを獲得。ブエルタ・ア・エスパーニャでは総合2位という素晴らしい結果を残しました。

2009年には、ツアー・オブ・カリフォルニアで3連覇を達成。ブエルタ・ア・カスティーリャ・イ・レオンでも優勝しました。しかし、同年のツール・ド・フランスでは落車により骨折、リタイアを余儀なくされました。

2010年にはチーム・レディオシャックに移籍し、2011年にはツール・ド・スイスで優勝、USAプロサイクリングチャレンジでも総合優勝を飾りました。

ドーピング問題と引退

2012年、オメガファーマ・クイックステップに移籍。ツール・ド・サンルイスで優勝するも、同年10月、過去にドーピングを行っていたことを告白。USADA（全米アンチドーピング機関）から6ヶ月の出場停止処分を受け、過去の成績の一部も剥奪されました。その後、新たなオファーはなく、2013年に引退を発表しました。

選手としての特徴

リーヴァイ・ライプハイマーは、山岳コースを得意とし、タイムトライアルでも高い能力を発揮するオールラウンダーでした。一方、ワンデイレースでの実績は比較的少ないため、ステージレース向きの選手と言えるでしょう。彼の活躍は、自転車ロードレース界に大きな足跡を残しました。しかし、ドーピング問題という影もまた、彼のキャリアの一部として残ることになります。

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