ジロ・デ・イタリア 2010

ジロ・デ・イタリア2010：激闘と感動の軌跡

2010年、第93回ジロ・デ・イタリアは、5月8日から30日にかけて開催され、イヴァン・バッソ（リクイガス・ドイモ）が4年ぶり2度目の総合優勝を果たしました。3469km、全21ステージに及ぶ過酷なレースを詳細に振り返ります。

コース概要

2009年10月24日にミラノで発表されたコースは、オランダのアムステルダムをスタートし、イタリアのヴェローナをゴールとするものでした。アムステルダム国立美術館前からのスタートは、2002年フローニンゲン以来8年ぶりのオランダ開催。初日は個人タイムトライアル（TT）で幕を開けました。

オランダでの3ステージを終えた後、イタリアへ移動。第4ステージからはイタリア国内での戦いが始まりました。第7ステージには、モンテパスキ・ストラーデビアンケでお馴染みの未舗装路が登場。第8ステージのモンテ・テルミニッロは大会初の頂上ゴール。後半はモンテ・ゾンコラン、プラン・デ・コローネスの山岳個人TT、モルティローロ峠、ガビア峠と、難関山岳が選手たちを苦しめました。

また、第11ステージはラクイラ地震の被災地を、第13ステージはマルコ・パンターニの故郷であるチェゼナーティコをゴール地点とするなど、特別な意味を持つステージも設けられました。最終第21ステージはヴェローナでの個人TT。ブラ広場をスタートし、アレーナ・ディ・ヴェローナにゴールするコースでした。

出場選手と動向

前年覇者のデニス・メンショフ、2008年覇者のアルベルト・コンタドールはツール・ド・フランスに専念するため欠場。ランス・アームストロングもツアー・オブ・カリフォルニアへの出場を表明し、ジロは欠場となりました。

一方、フランコ・ペッリツォッティ、イヴァン・バッソ、カルロス・サストレ、ブラッドリー・ウィギンスなどが出場を表明。カデル・エヴァンスも8年ぶりのジロ参加となりました。スプリンターでは、マーク・カヴェンディッシュが欠場し、アンドレ・グライペルが出場。オスカル・フレイレ、ダニエーレ・ベンナーティも欠場となりました。

開幕直前には、フランコ・ペッリツォッティらにドーピング違反が発覚し、出場を取り消されるという事態も発生しました。

レース展開

ブラッドリー・ウィギンスが第1ステージの個人TTを制し、好スタートを切りました。第2ステージ以降は落車が相次ぎ、総合上位を狙う選手たちも影響を受けました。リクイガス・ドイモが第4ステージのチームTTで勝利し、ヴィンチェンツォ・ニバリがマリア・ローザを獲得。

第5ステージでは新城幸也が逃げ切りに挑むも、惜しくもステージ優勝を逃しました。第7ステージではリクイガス・ドイモ勢が落車に見舞われるアクシデントが発生。エヴァンスがステージ優勝し、ヴィノクロフがマリア・ローザを奪還しました。

山岳ステージに入ると、バッソが調子を上げ、第15ステージのモンテ・ゾンコランでステージ優勝。第19ステージではモルティローロ峠を制し、ついにマリア・ローザを獲得しました。最終ステージの個人TTではグスタヴ・ラルソンが優勝。ニバリがスカルポーニとの争いを制し、リクイガス・ドイモがダブル表彰台を達成しました。

各賞の行方

個人総合優勝： イヴァン・バッソ（リクイガス・ドイモ）
ポイント賞： カデル・エヴァンス（BMC・レーシングチーム）
山岳賞： マシュー・ロイド（オメガファーマ・ロット）
新人賞： リッチー・ポート（チーム・サクソバンク）
* チーム時間賞： リクイガス・ドイモ

リクイガス・ドイモは、バッソの総合優勝に加え、ニバリの総合3位、チーム時間賞など、圧倒的な強さを見せつけました。また、新城幸也が日本人としてジロ完走を達成したことも特筆すべき出来事でした。

総括

ジロ・デ・イタリア2010は、イヴァン・バッソの復活優勝、リクイガス・ドイモのチーム力、新城幸也の活躍など、多くのドラマと感動に彩られた大会となりました。過酷なコースと不安定な天候の中、選手たちは限界に挑み、記憶に残るレースを繰り広げました。

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