ジンスハイムの戦い

ジンスハイムの戦い (1674年)

ジンスハイムの戦いは、1674年6月16日に仏蘭戦争中、フランス王国軍と神聖ローマ帝国軍の間で勃発しました。この戦いは、テュレンヌ子爵率いるフランス軍が勝利を収めました。

背景

1674年初夏、アレクサンドル・ド・ブルノンヴィル率いる神聖ローマ帝国軍の本隊と、1670年以降フランスから追放されていたロレーヌ公シャルル4世の軍勢が合流し、ライン川方面へ進軍、テュレンヌ子爵率いるフランス軍を攻撃しようとしました。テュレンヌは、ブルノンヴィルとシャルル4世の合流を阻止するため、フィリップスブルクからネッカー川へと進みました。彼はジンスハイムで神聖ローマ帝国軍の前衛部隊と遭遇しましたが、帝国軍の本隊はまだ到着していませんでした。そのため、テュレンヌはブルノンヴィルが接近する前に決着をつけようと、シャルル4世とアルベルト・カプラーラ率いる軍勢に戦いを挑みました。神聖ローマ帝国軍の兵力は、ロレーヌ、神聖ローマ帝国、ザクセン出身の騎兵が主体で、他に800から1,500人の歩兵がいました。しかし、大砲は配備されていませんでした。

戦闘の経過

神聖ローマ帝国軍は、ジンスハイムの町を占拠し、さらに北の高台にある菜園も確保していました。ジンスハイムの南を流れるエルゼンツ川も、フランス軍にとっては障害となりました。午前10時、テュレンヌは攻撃を命令し、フランス軍はミュールバッハ川とエルゼンツ川を渡河して、ジンスハイムの修道院と町を占領しました。

その後、フランス軍は山の麓で2列の戦列を形成し、6門の大砲を右翼に配置しました。神聖ローマ帝国軍は善戦しましたが、最終的には撤退を余儀なくされました。撤退の際、一時ジンスハイムの町を奪還しましたが、約2時間にわたる市街戦の末に再び追い出されました。その後、フランス軍が再集結している最中にシャルル4世が騎兵突撃を命じましたが、これは撃退されました。戦闘は午後5時頃には大勢が決し、フランス軍の勝利となりました。

戦いの後

神聖ローマ帝国軍は、北のネッカー川に向けて撤退しました。フランス軍は森林地帯を通って追撃を試みましたが、これは成功しませんでした。そのため、テュレンヌは追撃を断念しました。神聖ローマ帝国軍はそのままハイルブロンまで撤退し、ブルノンヴィル率いる本隊と合流しました。その後、彼らはマイン川の後方まで退き、増援を待ちました。この戦いは、仏蘭戦争において神聖ローマ帝国軍が初めてフランス軍に敗北した戦闘となり、フランス軍はその後、プファルツ選帝侯領を荒らし回りました。

参考文献

Gerhard Taddey (Hrsg.): Lexikon der deutschen Geschichte. 2. Aufl., Stuttgart 1983, ISBN 3-520-80002-0, p. 1158.
Gaston Bodart: Militär-historisches Kriegs-Lexikon, (1618–1905). Wien 1908, p. 94.
* Bernhard von Poten (Hrsg.): Handwörterbuch der Militärwissenschaften. Volume 9, Verlag von Velhagen & Klasing, Leipzig und Bielefeld 1880, p. 6.

もう一度検索