スイス国鉄G3/4形蒸気機関車

スイス国鉄G3/4形蒸気機関車の概要

スイス国鉄のG3/4形蒸気機関車は、ブリューニック線という特殊な1m軌間の山岳鉄道で使用されるために設計されました。この路線は、スイス国内で唯一の1m軌間の鉄道へと進化し、現在ではツェントラル鉄道の一部となっています。G3/4形は、1887年から1901年にかけて導入されたG3/3形蒸気機関車の代替として、またHG2/2形ラック式蒸気機関車の後継として、1906年から1914年の間にスイスのSLM（シュトックホルム機械製造所）で製造された機器です。

機関車の性能と特徴

G3/4形蒸気機関車は、合計8両が製造され、出力は180kWを誇ります。この機関車は、18パーミルの勾配で135トンの列車を20km/hで牽引する能力があり、平坦な区間では350トンの列車を最大26パーミルの勾配で70トンを牽引できる性能を有しています。これに加えて、1920年代にはレーティッシュ鉄道から編入された4両もあり、これらは215から218号機として名をつけられました。

車体と外観

G3/4形蒸気機関車の車体は、長いボイラーが煙突の位置よりも前方に設置され、シンプルで機能美あふれるデザインが特徴です。正面部分にはランプがいくつか取り付けられており、当初はオイルランプが使用されていましたが、後に電球式に改良されました。連結器にはピン・リンク式が使われ、1941年以降は自動連結器も装備されています。

走行装置の詳細

走行装置には、飽和蒸気式および過熱蒸気式の2種類のシリンダ配置が存在し、それぞれ異なるシリンダ径を持っています。特に、201-202号機はシリンダ径360mm、203-207号機は340mmと、機種により違いが見られます。ボイラーは、伝熱面積や煙管数などの違いにもかかわらず、全体的に高い蒸気圧を持つことが特徴で、いずれの機関車も12kg/cm²で動作します。

運行と活躍の場

G3/4形機関車は、ルツェルン-インターラーケン間の山岳路線、ブリューニック線で、旅客および貨物列車の牽引を行っていました。この路線は全長74kmで、最高高度は1002mに達し、多くの急勾配を持つため、機関車は特に重要な役割を果たしていました。ブリューニック線が電化された1942年以降、これらの機関車はしだいに廃車され、最終的には1965年までに全て運行を終了しました。

廃車とその後

1941年以降、機関車は条件が整わなくなり、順次廃車されていきました。3両はギリシャに譲渡され、テッサリア鉄道で使用されていましたが、現存する機材もわずかです。最も有名なのは、208号機が個人に譲渡され、その後ファントレインとして活動を続けている点です。

このように、スイス国鉄G3/4形蒸気機関車は、多様な性能を持ち、スイスの美しい山岳地帯を走った歴史的な存在です。そのデザインや構造、運行に関する背景は、鉄道ファンにとっても興味深いものとなっています。

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