スイッチブレード (航空機)

スイッチブレード：次世代の徘徊型兵器

スイッチブレードは、エアロヴァイロンメントによって開発された自爆突入型無人航空機であり、特に歩兵の使用を念頭に置いて設計された兵器の一つです。この機体は、アメリカ陸軍の「殺傷性小型飛翔弾薬システム」の一環として機能し、戦場における柔軟性と機動力を兼ね備えています。スイッチブレードは、3つの主要なバリエーションが存在し、これらはそれぞれ異なる標的に対応しています。具体的には、スイッチブレード300はソフトターゲット用、スイッチブレード600は装甲車両を狙い、さらに非武装型のブラックウイングも展開されています。

スイッチブレードの設計と機能

スイッチブレードは非常にコンパクトで、主に歩兵が携行できるサイズに設計されています。 発射ための外部ランチャーは、迫撃砲に似た筒状の形状を持っており、発射後は折りたたまれた翼を展開し、固定翼機として空中を飛行します。 操作は遠隔で行い、歩兵は専用のコントローラーを使用して機体を操縦します。また、機体には高性能カメラが搭載されており、リアルタイムで映像を確認しながら、敵の位置を特定することが可能です。

攻撃の最終段階では、歩兵が偵察映像を基に敵ターゲットを確認し、命令を送り、自爆攻撃を実施します。このプロセスには人工知能は関与せず、全ての攻撃判断は人間が行います。

バリエーションの概要

• - スイッチブレード300: ソフトターゲットを対象にした小型機で、最大速度は160km/h、運用高度は4600mです。弾頭にはタングステン弾片を内蔵した炸薬弾頭を採用し、航続範囲は10kmまたは15分です。
• - スイッチブレード600: こちらは対戦車用に設計されており、重さ約15kg、最大速度185km/hです。弾頭はタンデム成形炸薬弾頭で、最大航続範囲は40kmまたは40分です。
• - ブラックウイング: 武装はないが偵察目的で使用される機体です。

導入国と見込み国

スイッチブレードは主にアメリカ合衆国、イギリス、ウクライナをはじめとする国々で採用されています。特に2022年のロシアのウクライナ侵攻時には、アメリカがウクライナにこれらの機体を供与し、戦場での効果を発揮しました。

今後の導入が期待されている国々には、オーストラリア、カナダ、フランス、ギリシャ、リトアニア、ルーマニア、スウェーデン、中華民国（台湾）などがあります。

技術的特性

スイッチブレードは、電動モーター1基を搭載し、どちらのバリエーションも高い性能数値を誇ります。その特徴的な設計は、現代の戦争において新たな戦術の可能性を提供するものであり、従来の軍事戦略に変革をもたらしています。これからもスイッチブレードは、先進的な技術を駆使して戦場での役割を果たし続けることでしょう。

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