スカイラブ3号

スカイラブ3号：宇宙での長期滞在と科学実験

スカイラブ3号は、アメリカ初の宇宙ステーション「スカイラブ」で行われた2度目の有人宇宙飛行ミッションです。1973年7月28日にサターンIBロケットで打ち上げられ、3名の宇宙飛行士が約59日間、宇宙ステーションに滞在しました。このミッションでは、医療、太陽観測、地球資源探査など、多岐にわたる分野で科学実験が行われ、宇宙での長期滞在が人体に与える影響や、宇宙での活動に関する貴重なデータが収集されました。

宇宙飛行士

スカイラブ3号のミッションには、以下の宇宙飛行士が参加しました。

本搭乗員:
名前は記載されていません。
予備搭乗員:
ロバート・クリッペン (Robert L. Crippen)
ヘンリー・ハーツフィールド (Henry W. Hartsfield, Jr)
カール・ヘニーゼ (Karl G. Henize)
支援飛行士:
ストーリー・マスグレイヴ (F. Story Musgrave)
ウィリアム・ソーントン (William E. Thornton)
リチャード・トゥルーリー (Richard H. Truly)

ミッションの概要

スカイラブ3号は、スカイラブ宇宙ステーションにドッキングし、宇宙飛行士たちはそこで長期滞在を行いました。ミッション中、宇宙飛行士たちは1000時間以上にも及ぶ活動時間の中で、さまざまな科学実験に取り組みました。また、スカイラブの修理や改良のための船外活動も行われました。

船外活動 (EVA)

スカイラブ3号では、合計3回の船外活動が行われました。

EVA1: ギャリオットとルーズマ宇宙飛行士が、6時間31分にわたり船外活動を実施。
EVA2: ギャリオットとルーズマ宇宙飛行士が、4時間31分にわたり船外活動を実施。
EVA3: ビーンとギャリオット宇宙飛行士が、2時間41分にわたり船外活動を実施。

これらの船外活動では、スカイラブの修理や、日よけの設置などの作業が行われました。

主要な任務

スカイラブ3号の主な任務は、科学実験、宇宙環境が人体に与える影響の調査、スカイラブのメンテナンスでした。

科学実験: 医学、太陽観測、地球資源探査など、多岐にわたる分野で科学実験が行われました。特に、医療研究では、宇宙飛行への人間の生理学的適応・再適応能力に関する詳細なデータが収集されました。
人体への影響調査: 宇宙での長期滞在が人体に与える影響を詳細に調査するため、様々な生理学的測定が行われました。これには、体液移動や骨密度の変化などの研究が含まれます。
スカイラブのメンテナンス: 船外活動を通じて、スカイラブの修理や、熱保護シールドの設置などの作業が行われました。

その他の注目点

燃料漏れ: スカイラブへの接近時、アポロ宇宙船の姿勢制御用ロケットから燃料漏れが発生するというアクシデントが発生しました。しかし、最終的には修理され、ミッションに大きな影響は与えませんでした。
高校生の参加: アメリカ中の高校生もスカイラブの実験に参加し、天文学や生物学などの分野で研究を行いました。
計画の記章: ミッションの記章は、レオナルド・ダ・ヴィンチのウィトルウィウス的人体図をモチーフにしており、性器の部分は省略されています。また、飛行士の妻たちは、男性像の代わりに女性像を描いた別の記章を密かに作成し、宇宙飛行士たちを驚かせました。

宇宙船の現在

スカイラブ3号で使用された司令船は、オハイオ州クリーブランドにあるグレートレークス科学センターに展示されています。

結論

スカイラブ3号は、宇宙での長期滞在と科学実験の可能性を示した重要なミッションでした。このミッションで得られたデータは、その後の宇宙開発に大きく貢献しました。特に、宇宙での人体への影響に関する研究は、将来の有人宇宙探査において重要な知見を提供しています。

参考資料

Skylab: Command service module systems handbook, CSM 116 – 119 (PDF) April 1972
Skylab Saturn 1B flight manual (PDF) September 1972
NASA Skylab Chronology
Marshall Space Flight Center Skylab Summary
Skylab 3 Characteristics SP-4012 NASA HISTORICAL DATA BOOK
“Skylab 3”. Life Sciences Data Archive. NASA. June 20, 2012閲覧。
NASA Glenn Research Center

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