スカイレールタウンみどり坂

広島市安芸区に位置するスカイレールタウンみどり坂は、1990年代に積水ハウスと青木あすなろ建設によって開発された住宅団地です。広島市の中心部、紙屋町からは東へおよそ13キロメートル、安芸区の北寄りに広がっています。この団地が計画された大きな特徴の一つは、JR山陽本線の瀬野駅から団地までの標高差約200メートルという急勾配を克服するために建設された新交通システム、「スカイレール」でした。残念ながら、このスカイレールは2024年5月1日にその運行を終えています。

団地内は、スカイレールが南北に縦断する形で設計されており、主に一戸建ての住宅が立ち並ぶ閑静な住宅街が形成されています。住民の憩いの場として、団地内には合計13か所の公園が整備されています。また、生活に必要な買い物施設として、団地の南部にはスーパーマーケット「ショージみどり坂店」があり、日々の暮らしを支えています。

このニュータウンの区域は、行政上の町丁名としては「瀬野西」にほぼ対応していますが、一部は瀬野二丁目に含まれる一方、瀬野西の一丁目、二丁目、三丁目、六丁目の一部は団地の区域から外れています。瀬野西という町丁は一丁目から六丁目まであり、その北側は瀬野町に、南側は瀬野や中野といった地域と接しています。瀬野西地域の郵便番号は739-0313で、海田郵便局の管轄区域となっています。この地域の人口は、現在7,153人です。

スカイレールタウンみどり坂の歴史は、1997年に最初の入居が始まったことから始まります。翌年の1998年8月28日には、特徴的な交通システムであるスカイレールが開業し、住民の利便性向上に大きく貢献しました。団地の発展に伴い、子どもの教育環境も整備され、2011年4月1日には広島市立瀬野小学校から分離する形で、団地内に広島市立みどり坂小学校が新設されました。そして、スカイレールの廃止が決定された2024年には、廃止に先立つ3月30日から、その代替となる「みどり坂タウンバス」の運行が始まりました。長年にわたり団地の象徴であったスカイレールは、前述の通り2024年5月1日をもって惜しまれつつ廃止されました。

交通アクセスとしては、最寄り駅はJR西日本山陽本線の瀬野駅です。かつては、スカイレールのみどり口駅がこの瀬野駅に直結しており、スムーズな乗り換えが可能でした。団地内を通っていたスカイレールには、瀬野西一丁目および二丁目に近い「みどり中街駅」と、瀬野西三丁目から六丁目にかけての住民の利便性を担っていた「みどり中央駅」がありました。また、スカイレール運行時間外の深夜には、JR山陽本線の列車時刻に合わせて数本の「ジャンボタクシー」が運行されていましたが、こちらは2022年4月1日以降、運行が休止されています。スカイレール廃止後は、その役割を引き継ぐ形で「みどり坂タウンバス」が運行されており、かつてスカイレールを運行していたスカイレールサービス株式会社が、芸陽バス株式会社に運行業務を委託しています。自家用車でのアクセスとしては、国道2号線の小宇羅地交差点から広島県道33号瀬野川福富本郷線に入り、みどり坂東入口交差点で左折するルートが一般的です。

このニュータウンに関連する事項としては、広島市の町名や地区を一覧する中で安芸区の一部として挙げられるほか、団地内にある広島市立みどり坂小学校、そして近隣の中野地区にある広島市立瀬野川東中学校が、地域の教育機関として重要な役割を担っています。スカイレールの廃止という大きな変化を迎えましたが、スカイレールタウンみどり坂は、開発当初から計画された自然豊かな環境と、住民生活を支えるインフラが整備された住宅団地として、今後もその歴史を刻んでいくことでしょう。

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