スキン (GUI)

GUIにおける外装機能とは

GUI（グラフィカルユーザーインターフェース）における外装機能とは、ソフトウェアの見た目、つまりグラフィカルな表示を変更できる機能の総称です。具体的には、文字列や背景の表示色、大きさ、フォント、UI要素の形状、レイアウト、背景画像、ボタンなど、複数の要素を一括して変更できます。外装機能は、テーマやビジュアルスタイルなどとも呼ばれることがあります。

この記事では、GUIの見た目を変更する機能を「外装機能」と総称し、その詳細を解説します。また、コンピュータ用語として冗長なカタカナ語は、適宜略語や訳語を用いて説明します。

外装機能の概要

GUIの初期には、個々のGUI要素の表示設定は可能でしたが、GUI全体の外観を一括で変更する機能はありませんでした。しかし、ソフトウェアのバージョンアップに伴い、新しいUI要素の追加や既存UI要素の廃止によるレイアウトの不整合が発生するようになりました。そこで、UIの後方互換性を保ちつつ、外観を柔軟に変更するために、外装機能が実装されるようになりました。

外装機能は、マーケティング戦略としてデザインを刷新したり、ユーザーの個人的な好みに合わせて見た目を変更したりする目的で導入されました。また、アクセシビリティ機能の一環として、色覚異常を持つユーザー向けの配色や、ダークモード（暗色モード）のような画面全体を暗く表示する機能も提供されています。ダークモードは、有機ELディスプレイなどで電力消費を抑える効果も期待できます。

外装機能の種類

外装機能は、ソフトウェアによって実装された時期や目的が異なるため、多様な種類が存在します。現時点では、共通認識に基づいた分類体系は確立されておらず、同じ名称でもソフトウェアや時期によって変更範囲や実行方法が異なる場合があります。

スキン

スキンとは、文字通り「皮膚」を張り替えるように、ソフトウェアの見た目を変更する外装機能です。3Dグラフィックスのポリゴンにテクスチャ（画像）を貼り替えることで見た目を変更したり、UI要素の背景プロパティを変更することで実現したりします。

例えば、Windows Media Playerのスキンは、複数の画像ファイルと、それらの表示方法を定義するテキストファイルで構成されています。ゲームやメタバースのような仮想空間では、地形情報に影響を与えないよう、ポリゴンの「皮」のみを変更します。この文脈では、3D空間内のインターフェースを指してスキンと呼ぶことがあります。さらに、3D空間外のパラメータや開始画面を含めてスキンと呼ぶこともあります。

3Dグラフィックスでキャラクターを操作する場合、プレイヤーが操作するキャラクター（PC: Player Character）の見た目をスキンと呼ぶことがあります。この場合、PC以外のUI要素やポリゴンに貼り付ける画像は、テクスチャパックまたはテクスチャと呼ばれます。

スキンは、メディアプレイヤーやゲームなどの趣味性の高いソフトウェアで多く採用される傾向があります。また、MediaWikiのようなウィキエンジンやWebページのコンポーザーでは、スタイルシートの変更を含む外装機能をスキンと呼ぶことがあり、この場合はレイアウトも変化することがあります。

スキンの変更に対応した主なソフトウェア

以下に、スキンの変更に対応した主なソフトウェアをいくつか紹介します。

Microsoft Windows
多くのバージョンで、GUI要素の色、大きさ、フォントなどを変更できます。
Windows XP: Lunaテーマ
デスクトップテーマ: 壁紙やアイコンなどの外観を一括変更（Windows 95 Plus!からXPまで）
Windows Vista: Aeroテーマ
Windows 8/8.1: Modern UI
Winamp
WindowBlinds
Mozilla Firefox: テーマまたはコンプリートテーマ（旧称: ペルソナ）
Google Chrome: テーマ
Opera: 従来のスキンと、Opera 12以降のテーマ

まとめ

外装機能は、ソフトウェアの見た目を柔軟に変更するための重要な機能です。スキン、テーマ、ビジュアルスタイルなど、様々な名称で呼ばれていますが、いずれもユーザーの好みに合わせてインターフェースをカスタマイズできます。今後も、ソフトウェアの多様化に伴い、外装機能はさらに進化していくと考えられます。

関連項目

デスクトップの背景
* XUL

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