Modern UI

Modern UI (モダンUI)とは

Modern UIは、マイクロソフトが開発したユーザーインターフェース(UI)です。Windows PhoneやWindows 8などの製品に採用され、その後のマイクロソフト製品のデザインに大きな影響を与えました。以前のWindowsのUIとは異なり、鮮やかな単色を基調とし、大きなフォントと読みやすさを重視したフラットデザインが特徴です。

デザインの特徴

Modern UIは、簡潔なタイポグラフィに重点を置いています。以前のWindowsで採用されていたLunaやWindows Aeroのような装飾的なデザインとは対照的に、ビビッドな単色を基調としたフラットデザインを採用しています。これは、コンテンツを分かりやすく表示することを目的としています。

特に、Windows PhoneやWindows 8のスタート画面では、アプリのアイコンがタイル状に並んで表示されます。これらのタイルは「ライブタイル」と呼ばれ、アプリの最新情報（ニュースやメッセージなど）が直接表示されるため、ユーザーはアプリを起動せずに情報を確認できます。また、画面の移動には横スクロールを使用し、直線的なデザインも特徴です。

使用されているフォントは、Agfa Monotypeのスティーヴ・マテスンが開発したSegoeベースのものです。Zune向けのSegoe UIやWindows Phone向けのSegoe WPなど、多くのカスタムバージョンも存在します。

開発の経緯

Modern UIは、2010年にコードネーム "Metro UI" として発表されました。そのデザインは、スイスのクラシカルなデザインやロンドンの地下鉄の標識などから着想を得ています。しかし、文章を基調としたデザインの傾向は、Windows XP Media Center editionのWindows Media Centerや、2006年に発売されたZuneのインターフェースにも見られました。

Modern UIは、現在では多くのマイクロソフト製品に採用されており、Windows Live MessengerやLive Mesh、Microsoft Office、Outlook.comなどにも影響を与えています。2012年には、25年ぶりにModern UIをベースとした社名ロゴへの変更も行われました。同年発表されたWindows 8では、マイクロソフトの主力であるデスクトップ向けオペレーティングシステムにも採用され、マイクロソフトの標準的なUIとして定着しつつあります。

MetroからModernへ

2012年8月以降、"Metro"という名称は使用されなくなりました。これは、マイクロソフトのパートナー企業であるドイツの小売大手Metro AGから、商標権侵害で訴訟を起こされる可能性があったためと推測されています。マイクロソフトは、Metroは元々社内のコードネームであり、商用のブランド名ではないとして、名称変更を予定していたと述べています。

新しい名称は正式に発表されず、一時は「Windows 8 スタイル」や「Modern スタイル」など、様々な名称が使用されました。最終的に、Windows 8の公式ブログ「Building Windows 8」で「Modern UI」という名称が使用されたことから、現在ではこの名前が広く使われています。

興味深いことに、Metro UIが正式名称だったWindows 8の初期ビルドでは、Modern UIを採用したPDFアプリが「Modern」という名前で搭載されていました。

関連情報

• - Windowsランタイム: Modern UI上で動作するアプリケーションを開発するためのプラットフォーム。
• - Windowsストア: Modern UIを採用したアプリケーションを配布・購入できるオンラインストア。

Modern UIは、マイクロソフトの多くの製品に影響を与え、そのデザインは多くのユーザーに受け入れられています。今後も、マイクロソフト製品のデザインの基礎として、重要な役割を果たすでしょう。

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