スコット・ガーランド

スコッティ・2・ホッティ：プロレスラー人生の軌跡

1973年、アメリカ合衆国メイン州で生まれたスコット・ガーランドは、16歳でプロレスラーとしてのキャリアをスタートさせます。地元団体での経験を経て、マサチューセッツ州のNEW（New England Wrestling）で本格的なトレーニングを積みました。その後、WWF（後のWWE）に入団し、スコット・テイラーのリングネームでデビュー。大学卒業後は一時的にプロレスから離れ、銀行員やギフトショップのマネージャーなどを経験するも、プロレスへの情熱を捨てきれず、再びWWFのリングへ戻ってきました。

WWF復帰後は、スコット・テイラーとして活躍。その後、ブライアン・クリストファーとのタッグチーム「トゥー・マッチ」を結成し、華麗なダンスとアクロバティックな技で人気を集めました。リングネームをスコッティ・2・ホッティに変更し、ブライアン・クリストファーはグランマスター・セクセイと改名。タッグチーム名を「トゥー・クール」に改め、リキシを加えた3人組としてWWFを代表するユニットへと成長します。2000年にはエッジ&クリスチャンから世界タッグ王座を奪取するなど、大きな成功を収めました。

しかし、2000年代に入ると、メンバーの脱退や怪我、そして違法薬物問題など、幾多の困難に見舞われます。トゥー・クールは自然消滅し、スコッティはシングルプレイヤーとして、アルバートとのタッグチーム「動物園のクルー」を結成するなど、様々な試みを行いながらキャリアを継続しました。2003年にはリキシとトゥー・クールを再結成し、再びWWEタッグ王座を獲得するも、すぐに王座から陥落。その後は、クルーザー級戦線で活躍するも、徐々にテレビでの露出が減り、2007年にWWEを解雇されます。

WWE解雇後、スコッティはインディー団体で活躍。WWEが商標登録していた「スコッティ・2・ホッティ」のリングネームが使えなくなり、「スコッティ・トゥー・ホッティ」や「スコッティ・ザ・ホッティ」など、様々なリングネームを使用しながら、FIP、CLASH、EPW、CCW、UWF Liveなど、多くの団体に参戦し、各団体のタイトルを獲得しました。2010年には、TAJIRIが主宰する日本のプロレス団体SMASHにも参戦しています。2012年には、WWEのNXTでレジェンドとして登場し、勝利を収めています。2014年にはプロレスリング・ノアにも参戦。2016年からはWWEパフォーマンスセンターのコーチとして、次世代のレスラー育成に携わっています。

スコッティ・2・ホッティの代名詞的な技は「ワーム」です。これは、相手を倒した後に「W」「O」「R」「M」と観客がチャントする中、リングを跳ね回りながら相手へチョップを決める、間が長く独特のフィニッシュ・ムーブです。この技は、ザ・ロックのピープルズ・エルボーや、ハルク・ホーガンのレッグ・ドロップのような、観客を盛り上げる要素を持つ技として知られています。

その他得意技としては、トルネードDDT、ブルドッグ、スーパーキック、パンプハンドル・スープレックス、バックドロップなどがあります。バックドロップの後には、ムーンウォークをするのが定番でした。

スコッティは、WWEにおいてWWFライトヘビー級王座を1回、世界タッグ王座を1回（グランマスター・セクセイとのタッグ）、WWEタッグ王座を1回（リキシとのタッグ）獲得しています。インディー団体でも、CCWヘビー級王座、EPWヘビー級王座、NEWAヘビー級王座などを獲得しており、輝かしいキャリアを築きました。

プライベートでは、ウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートの愛好家であり、年間パスポートを所有しています。2013年からは消防士を目指して訓練にも励んでいました。

スコッティ・2・ホッティは、卓越したレスリング技術とエンターテイメント性で、多くのファンを魅了したレスラーです。そのユニークなキャラクターと、プロレスに対する情熱は、今もなお多くのプロレスファンに記憶されています。

もう一度検索