スコティッシュ・ボーダーズ

スコティッシュ・ボーダーズは、スコットランドの32あるカウンシル・エリアの一つで、旧称でもある「ボーダーズ」という略称で親しまれています。州都はニュータウン・セント・ボスウェルズです。1975年にベリックシャー、ピーブルズシャー、ロクスバラシャー、セルカークシャーにミッドロージアンの一部を加えて設置され、1996年に現在の名称となりました。2006年時点での人口は約11万人、面積は約4,732平方キロメートルです。

地理

州内を西から東へとツイード川が流れ、丘陵地帯が広がっています。東部は「マース」と呼ばれる平坦な地域です。ツイード川はベリック＝アポン＝ツイード近郊で北海に注ぎ込み、下流約30kmの区間はイングランドとの国境を兼ねています。主要な町としては、ガラシールズ、セルカーク、ホーウィック、ジェドバラ、アールストン、ケルソー、セント・ボスウェルズ、メルローズ、ツイードバンクなどが挙げられます。

歴史

「ボーダーズ」という言葉は、広義にはイングランドとスコットランドの国境地帯全体を指し、現在のスコティッシュ・ボーダーズに加えて、スコットランド側のダンフリースシャー、カークカドブライトシャー、イングランド側のノーサンバーランド、カンバーランド、ウェストモーランドを含んでいました。特にイングランドとの国境に接するロクスバラシャーとベリックシャーは、スコットランド独立戦争をはじめとする戦争や、ボーダー・リーバーによる略奪など、紛争の中心地でした。その結果、多くの城や修道院、町が廃墟と化しました。

スコティッシュ・ボーダーズの人々は、自分たちの地域と歴史に強い誇りを持っており、「ボーダラーズ」と自称することもあります。地名にはスコットランド・ゲール語に由来するものも多く存在しますが、5世紀頃までに勢力を失い、ブリトン語と古英語が主要な言語となりました。古英語からスコットランド語や現在のスコットランド英語が派生しています。

交通

スコティッシュ・ボーダーズには、かつてヴィクトリア朝時代に鉄道網が敷かれていましたが、第二次世界大戦後、ビーチング報告に基づくイギリス国鉄の路線網の大規模な整理により廃止されました。しかし、2007年にスコットランド議会はウェイヴァリー線の再整備を決定し、2015年にはボーダーズ・レールウェイとしてエディンバラからツイードバンクまでが開通しました。その他に、イースト・コースト本線が沿岸部を通っていますが、駅は存在しません。州内の各町はバス網で結ばれており、高速バスは主要な町とエディンバラ、カーライルの駅を結んでいます。州内には商業空港はなく、最寄りの空港は国際空港でもあるエディンバラ空港とニューカッスル空港です。

関連項目

セント・アバズ・ヘッド
メルローズ修道院

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