スコーピオン (潜水艦)

スコーピオン (USS Scorpion, SS-278)

スコーピオンはアメリカ海軍に所属するガトー級潜水艦で、その名称はサソリに由来しています。この艦は、米西戦争の際に民間の蒸気ヨット「サブリン号」を改称して以来、5隻目の「スコーピオン」となります。戦後の1960年代には、6代目のスコーピオン (SSN-589) がスキップジャック級原子力潜水艦として就役しました。

艦歴

スコーピオンは1942年3月20日にメイン州キタリーのポーツマス海軍造船所で起工され、同年7月20日にエリザベス・T・モナグルによって命名、進水式を迎えました。さらに1942年10月1日、艦長ウィリアム・N・ワイル少佐のもとで正式に就役し、艤装を経て1943年1月にニューヨークの南部で整調を行った後、2月下旬にパナマへ向かい、その後真珠湾に到着します。真珠湾では、バチサーモグラフなどの海洋測定機器が装備され、ソナーの効果を低減させる温水層の探知が可能になりました。

第1次哨戒（1943年4月 - 5月）

スコーピオンは1943年4月5日に日本近海への最初の哨戒に出発しました。4月19日には、那珂湊沖合に達し、機雷を22個敷設した後、続けて特設砲艦「明治丸」に魚雷を発射し、撃沈しました。さらに、4月21日には浮上砲戦で50トンサンパンを破壊し、4月22日には塩屋埼周辺で他の船舶も次々に狙撃しました。最終的に4月27日には護衛艦付きの輸送船を発見し、魚雷を命中させるなどの成功を収めました。

28日には帰還命令が出され、29日には100トンの小船を攻撃しました。30日早朝には「第五恵比寿丸」への交戦があったものの、スコーピオンは無傷のまま帰投し、5月8日に真珠湾に戻りました。この行動で艦はかなりの戦果を挙げました。

第2次哨戒（1943年5月 - 7月）

次の哨戒は5月29日に開始され、東シナ海や黄海方面が対象とされました。6月21日にはトカラ列島近くでの哨戒を行い、7月3日に輸送船団を発見。魚雷を発射し、これに命中したことが完了後に確認されました。この行動は短期間の爆雷攻撃にも耐えつつ、成功裏に行われました。

7月26日には修理及び訓練のため真珠湾に帰投し、艦長が交代しました。

第3次哨戒（1943年10月 - 12月）

1943年10月13日にはトラック諸島方面に向かい、複数の哨戒を実施しましたが、悪天候により敵船の発見が難しく、一部攻撃目標を逸失する事態が続きました。

第4次哨戒（1943年12月 - 1944年1月）

スコーピオンは1943年12月に再び哨戒任務に出発しましたが、1944年1月に消息が相次いで分からなくなり、やがてこの潜水艦は行方不明として喪失が宣告されました。日本海軍にはスコーピオンの戦闘の結果としての失敗記録は存在しませんでしたが、推測では機雷敷設区域での行動が関連するとの見解があります。これにより、彼女が行動中に命を落とした可能性が示唆されています。

結論

スコーピオンはその戦歴において、数度の成功を収めつつも運命に翻弄され、この艦の結末は現在でも多くの憶測を呼んでいます。彼女は合計で3個の従軍星章を受章する栄誉を得ました。

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