スズキ・クロスビー

スズキ クロスビー：コンパクトで多様な魅力を凝縮したクロスオーバーSUV

スズキが送り出すクロスビー(XBEE)は、コンパクトなボディにSUVらしい力強さとワゴン並みの広さを兼ね備えた、魅力的なクロスオーバーSUVです。一見、軽クロスオーバーSUVであるハスラーの拡大版を思わせるデザインですが、開発コンセプトやメカニズムは大きく異なります。スズキ社長も語るように、大人5人が快適に過ごせる空間と、悪路にも対応できる走破性を両立した「新ジャンル」のクルマと言えるでしょう。

メカニズム：小型車プラットフォームを活かした高い効率性

クロスビーのベースとなっているのは、ソリオやイグニスにも採用されているAセグメント小型車向けプラットフォーム「HEARTECT」です。全長や全幅はイグニスとほぼ同等ながら、全高は1705mmと高く、室内空間の広さを確保しています。全長を短く抑えることで、取り回しの良さを実現。全幅も1700mm未満とコンパクトに設計されており、日本国内では数少ない5ナンバーサイズのクロスオーバーSUVとなっています。

パワートレインには、スイフトRStにも搭載されているK10C型直噴ターボエンジン「ブースタージェットエンジン」に、ISG（モーター機能付発電機）とリチウムイオンバッテリーを組み合わせたマイルドハイブリッドシステムを搭載。1.5L自然吸気エンジン並みの出力と、優れた燃費性能（JC08モード燃費22.0km/L、2WD車）を両立しています。トランスミッションは、マニュアルモード付パドルシフトを備えた6速ATのみの設定です。スズキ車として初となる、このブースタージェットエンジンとマイルドハイブリッドシステムの組み合わせが、クロスビーの力強い走りを実現しています。

4WD車にはビスカスカップリング式のフルタイム4WDシステムを採用。急な下り坂での車速制御を行うヒルディセントコントロールや、滑りやすい路面での発進をサポートするグリップコントロールなども標準装備しています。さらに、「スポーツモード」と「スノーモード」の2種類の走行モードを搭載し、様々な状況下で最適な走行性能を発揮します。

安全性：充実の安全装備で安心をサポート

安全面においてもクロスビーは高い水準を誇ります。単眼カメラ+赤外線レーザーレーダー方式の衝突被害軽減ブレーキ「デュアルセンサーブレーキサポート」（2020年10月の一部仕様変更でステレオカメラ方式の「デュアルカメラブレーキサポート」に進化）をはじめ、誤発進抑制機能、車線逸脱警報機能、ふらつき警報機能など、数多くの先進安全機能が標準装備されています。後退時ブレーキアシストやリアパーキングセンサーなども採用され、ドライバーをあらゆる状況下でサポートします。2020年10月の一部仕様変更では、アダプティブクルーズコントロールや車線維持支援機能も追加されました。

デザインと装備：個性を際立たせる内外装

インテリアは、初代ハスラーを彷彿とさせるデザインながら、専用設計が施されています。エアコンスイッチはイグニスからの流用ですが、全体的なデザインはクロスビー独自の魅力を放っています。スズキ車初となるライト自動消灯システムも採用されています。

ボディカラーは、モノトーンと2トーン、そして3トーンコーディネートと、多彩なバリエーションが用意されています。発売以来、様々なカラーが追加・変更されてきました。オプション装備も充実しており、ユーザーの好みに合わせてカスタマイズ可能です。

歴史：進化を続けるクロスビー

2017年9月、東京モーターショーで参考出品されたクロスビーは、同年12月に正式発売されました。その後も、安全装備の強化やカラーバリエーションの追加、装備の充実化など、継続的に改良が加えられてきました。2023年11月には、法規対応や価格改定に伴う仕様変更が行われています。

まとめ：多様なニーズに応える一台

クロスビーは、コンパクトなボディにSUVらしい力強さとワゴン並みの広さを融合させた、唯一無二の存在です。充実の安全装備、優れた走行性能、そして多彩なカラーバリエーションなど、多くの魅力が凝縮されています。様々なニーズに応えることができる、まさに「ワクワクするクロスオーバー」と言えるでしょう。その高い実用性と個性的なデザインは、多くのユーザーを魅了し続けています。

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