スズキ・グラディウス

スズキ グラディウス：ローマの短剣の名を冠したネイキッドバイク

スズキが手掛けたオートバイ「グラディウス」は、古代ローマの剣闘士たちが用いた短剣「グラディウス」からその名を冠したネイキッドモデルです。力強いエンジンと扱いやすい車体、そして安全面にも配慮した設計が特徴で、多くのライダーから支持を集めました。

シリーズには、排気量645ccの「SFV650グラディウス」（主に海外向け）と、排気量399ccの「グラディウス400 ABS」（日本国内向け）の2車種が存在しました。それぞれのモデルは異なる市場ニーズに対応するように設計されており、グローバルな展開を見据えたスズキの戦略が見て取れます。

SFV650グラディウス：パワフルな走りを提供

SFV650グラディウスは、スズキのネイキッドモデルSV650と同じ645ccのV型2気筒エンジンを搭載。このパワフルなエンジンは、最高出力72PS、最大トルク6.5kgf・mを発揮し、力強い加速とスムーズな走行を実現しました。新開発のトラスフレームとの組み合わせにより、軽快なハンドリングと優れた操縦安定性を両立させています。また、ABS（アンチロックブレーキシステム）搭載モデルも用意され、安全性の向上にも貢献しています。

グラディウス400 ABS：日本の市場に合わせた設計

グラディウス400 ABSは、日本市場向けに開発されたモデルです。排気量399ccのエンジンは、最高出力55PSと、かつての馬力規制をわずかに上回る性能を発揮しました。ABSは標準装備されており、安全性を重視した設計となっています。しかし、日本の排出ガス規制に対応するため、エンジンカバーやリアスプロケットなど、650ccモデルと異なる部品が採用されているため、車重は650ccモデルよりも重くなっています。

グラディウス400 ABSは、日本のライダーに合わせた扱いやすい車体と、必要十分なパワーを両立させたモデルとして好評を得ました。しかし、2017年9月、排出ガス規制の強化に伴い生産が終了しました。

グラディウスシリーズの魅力

グラディウスシリーズは、パワフルなエンジンと扱いやすい車体を両立させた、魅力的なネイキッドバイクです。ローマの短剣から名付けられたその名は、力強さとスタイリッシュさを兼ね備えたデザインと、その走りを象徴しています。輸出モデルと国内モデルの両方が存在したことも、このモデルがグローバルな展開を目指していたことを示しています。

残念ながら、400ccモデルは生産終了してしまいましたが、その存在は多くのライダーに記憶され続けています。650ccモデルは、現在も多くの国で販売されており、スズキのグローバルなバイクラインナップを支える重要なモデルの一つとなっています。

関連情報

スズキ・SVシリーズ：グラディウスのベースモデルとなったネイキッドシリーズ。
スズキ・グラディウス400 ABS：日本国内向けに販売されていたモデル。
* スズキUSA・SFV650（グラディウス650）：海外向けに販売されているモデル。

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