スズキ・ランディ

スズキランディ

スズキランディは、同社が日本国内で販売するミニバンです。初代から3代目までは日産[[自動車]]のセレナをベースとしたOEM供給車でしたが、4代目からはトヨタ[[自動車]]のノアをベースとする形に変わりました。スズキが国内で販売する車種の中では最も高価な車として知られています。

概要

2006年、スズキは日産[[自動車]]との間で完成車の相互供給に関する提携を強化しました。その一環として、普通自動車ラインナップの拡充を目的として、日産セレナのOEM供給を受け、2007年に初代ランディが発売されました。これは、かつて販売されていたエブリイランディの実質的な後継車にあたります。

2019年、スズキはトヨタ[[自動車]]と資本提携を結び、その結果、4代目ランディからベース車両がトヨタノアに変更されました。ランディは、ベース車と構造や設定はほぼ同じですが、フロントグリルやエンブレムなどに差異が見られます。また、エアロモデルは一貫して設定されていません。

価格については、初代モデルの発売当初は約266万円でしたが、改良を重ねるごとに価格が上昇し、現行の4代目モデルでは、最高価格が約370万円に達しています。これは、スズキのラインナップの中でも最も高額であり、SUVのエスクードやセダンのキザシをも上回ります。現在、スズキが国内でOEM供給を受けて販売している唯一の車種です。

初代 SC25型 (2007年 - 2010年)

2007年 1月22日に発売が開始されました。当初の販売目標は700台と発表されています。グレードは「2.0S」と「2.0G」の2種類で、セレナと比較すると装備やオプションが削減されている部分もありました。一方で、キーレススタートシステムは全車標準装備でした。外観は、フロントグリルが専用デザインとなり、エンブレムもスズキ仕様に変更されています。キャッチフレーズは「スズキの大きい車」「スズキの8人乗り」でした。

2008年 1月16日にマイナーチェンジが行われ、内外装の質感が向上しました。ボディーカラーの追加や、新デザインのヘッドライト、バンパーなどが採用されています。また、「2.0G」には両側パワースライドドアなどが装備されました。

2009年 1月13日には一部改良が行われ、「2.0S」にはインテリジェントエアコンシステムが、「2.0G」にはアクティブAFSとディスチャージヘッドランプが標準装備となりました。同年4月24日には4WD車の燃費性能が向上しました。

2010年 11月に生産を終了し、在庫対応のみとなりました。同年12月には2代目モデルと入れ替わる形で販売終了となりました。

2代目 SC26型 (2010年 - 2016年)

2010年 12月21日にフルモデルチェンジが行われました。引き続き「2.0S」と「2.0G」の2グレード体系ですが、「2.0S」にはセットオプション装着車が設定されました。エンジンはMR20型直噴エンジンに置き換えられ、アイドリングストップシステムが搭載されました。これにより燃費が向上しました。

スライドドアやバックドアの開口部が拡大され、乗り降りのしやすさや荷室の使い勝手が向上しました。また、ECOメーターが採用されました。外観は4代目セレナとほぼ同じですが、センターコンソールの幅が異なる点が特徴です。

2012年 8月9日には一部改良が行われ、2WD車には「スマートシンプルハイブリッド（S-HYBRID）」が搭載され、燃費がさらに向上しました。リアコンビランプやハイマウントストップランプがLED化され、フルオートデュアルエアコンなども装備されました。また、全車でセカンドシートの中央席3点式シートベルトとISOFIX対応チャイルドシート固定用アンカーが採用されました。

2014年 1月21日にはマイナーチェンジが行われ、全グレードでエマージェンシーブレーキとLDW（車線逸脱警報）が標準装備となりました。また、「2.0G」には「アドバンスドセーフティパッケージ」がメーカーオプションとして設定されました。フロントデザインが一新され、ボディカラーも変更されました。グレード体系は「2.0X」が独立し、3グレードとなりました。LEDヘッドランプがスズキ車として初めて採用されました。

2015年4月1日には仕様変更が行われ、「2.0X」と「2.0G」の2WD車が「平成32年度燃費基準」を達成しました。同年11月にはエマージェンシーブレーキとLDWが全車標準装備となりました。2016年8月に生産を終了し、同年11月には3代目モデルへのフルモデルチェンジに伴い販売終了となりました。

3代目 SC27型 (2016年 - 2022年)

2016年 12月13日にフルモデルチェンジが発表され、同月20日に販売が開始されました。グレード体系は「2.0S」、「2.0X」、「2.0G」の3グレードで、2代目モデル後期型を踏襲しています。バックドアはデュアルバックドアとなり、安全装備が強化されました。

エマージェンシーブレーキとLDWに加え、踏み間違い衝突防止アシストなどが全車標準装備となりました。また、「2.0X」と「2.0G」にはパーキングアシストなどが標準装備されました。燃費性能は「2.0X」と「2.0G」で向上し、S-HYBRIDが4WD車にも搭載されました。

フロントグリルは専用デザインとなり、バックドアメッキガーニッシュも変更されました。ボディカラーはモノトーンのみとなり、一部カラーがランディでは設定されなくなりました。

2018年9月7日には一部仕様変更が行われ、ハイビームアシストや歩行者検知機能などが追加されました。2020年2月24日には2回目の仕様変更が行われ、BSI、LI、RCTAなどの安全装備が追加されました。また、フロントグリルやバンパー、ヘッドランプのデザインが変更されました。

2020年8月19日には仕様変更が行われ、FCWが新たに装備されました。WLTCモードによる燃料消費率と排出ガスに対応し、「平成30年排出ガス基準50%低減レベル」認定を取得しました。グレード体系が整理され、ガソリン車の「2.0S」が一旦廃止されましたが、同年11月に復活しました。

2022年 6月30日に生産終了し、同年7月28日に4代目モデルの発表に伴い販売終了となりました。

4代目 R90C型 (2022年 - )

2022年 7月28日にフルモデルチェンジが発表され、8月8日に発売が開始されました。OEM供給元がトヨタ[[自動車]]に変更され、ベース車両はノアとなりました。これにより、全幅が1,700mmを超え、全車3ナンバーとなりました。グレード体系はガソリン車が「G」、ハイブリッド車が「HYBRID G」となりました。

外観は歴代モデルと同様にランディ専用のデザインが与えられ、フロントフェイスやリアのデザインが変更されました。パワートレインはガソリン車が2.0Lダイナミックフォースエンジン、ハイブリッド車が1.8Lエンジンとなりました。4WDにはスズキ車初となる電気式四輪駆動システム「E-Four」が採用されました。また、排出ガス性能が向上し、「平成30年排出ガス基準75%低減レベル」認定を取得しました。

ハンズフリーデュアルパワースライドドアが全車標準装備となり、安全装備は「Safety Sense」となりました。また、電動パーキングブレーキ（EPB）やブレーキホールドが新たに装備されました。

装備面では、「ナノイーX」や快適温熱シートなどが全車標準装備となりました。一方で、ディスプレイオーディオが未設定となり、ナビ・オーディオ機能は純正アクセサリーでの対応となります。

中国仕様 (2007年 - 2016年?)

2007年5月に、スズキと中国の昌河汽車との合弁会社である昌河鈴木が、小型ミニバン「ランディ（浪迪）」を発売しました。これは日本国内のランディとは異なり、5代目エブリイをベースに大型化されたもので、1.2Lまたは1.4LのK型エンジンが搭載されていました。2016年ごろに生産が終了し、2018年6月にスズキは昌河鈴木の株を譲渡しました。

車名の由来

「LANDY」は、大地を表す「LAND」をもとにした造語です。

外部リンク

- ランディ｜スズキ

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