スズキ・RM

スズキRMシリーズ：2ストロークエンジンの歴史と魅力

スズキが長年にわたって製造してきたRMシリーズは、2ストロークエンジンを搭載したモトクロスバイクとして、世界中のライダーから高い評価を受けてきました。様々な排気量のモデルがラインナップされ、それぞれのクラスで競争力を誇るマシンとして進化を遂げてきました。本記事では、RMシリーズの歴史と各モデルの特徴を詳細に解説します。

500ccクラス

RM500 (1982-1983): モトクロス世界選手権やAMAモトクロス500ccクラス参戦を想定したモデルです。未舗装路での高い走行技術を要求するため、販売台数は伸び悩みました。前期型と後期型では、フロントブレーキがドラム式からディスク式に変更され、サスペンションや車体寸法も改良されています。日本国内では500ccクラスの公式戦が開催されなかったため、正規販売はされませんでした。
RM465 (1980-1981): RM400をベースに排気量を拡大したモデルです。シリンダーボアを3mm拡大し、排気量は417ccから464ccに向上しました。販売台数の伸び悩みから、モデルライフ中はグラフィック変更以外の大きな改良は行われませんでした。日本国内での正規販売はありませんでした。
RM400 (1977-1979): 500ccクラス参戦を想定したモデルで、1978年にはシリンダーボアが拡大され、排気量が402ccから417ccへと向上しました。日本国内では正規販売されませんでした。

250ccクラス

RM250 (1976-): 長年にわたってモデルチェンジを繰り返してきたロングセラーモデルです。毎年、改良が加えられてきましたが、環境規制の強化を背景に、2004年からは4ストロークエンジンのRM-Z450と併売されるようになり、開発規模は縮小傾向にあります。1980年のテレビドラマ『仮面ライダースーパー1』で、主人公が搭乗するマシンとしても有名です。

125ccクラス

RM125 (1974-): RM250と同様に、長年にわたってモデルチェンジを繰り返してきたモデルです。環境規制への対応から、2003年からは4ストロークエンジンのRM-Z250と併売されるようになり、開発規模は縮小傾向にあります。

85cc/80ccクラス

RM85/RM85L (2001-): FIM車両規則の変更に対応し、RM80の後継として登場しました。RM80のシリンダーボアを拡大することで、排気量が84.7ccに増加しました。台湾の台鈴工業で生産され、日本には輸入されています。RM85Lはホイールサイズの大型化などの改良が加えられています。
RM80/RM80L (1977-2001): RM85シリーズの前身モデル。1999年からは台湾の台鈴工業で生産されました。RM80LはRM85Lと同様にホイールサイズの大型化などの改良が加えられています。

その他のモデル

RM65 (2003-2004): カワサキKX65との相互OEMモデルです。
RM60 (2002): カワサキKX60との相互OEMモデルです。
RM100 (1977、2002): 1977年モデルはRM125をベースに排気量を縮小したモデルで、初心者向けに開発されました。2002年モデルはカワサキKX100との相互OEMモデルです。
* RM50 (1977-1980): 幼児向けモデルで、80ccクラスへのステップアップを目的としたモデルでした。

まとめ

スズキRMシリーズは、長年にわたってモトクロスシーンを支えてきた名車です。2ストロークエンジンの魅力を存分に味わえるモデルとして、多くのライダーに愛され続けてきました。それぞれのモデルには、開発当時の技術や時代の背景が反映されており、モーターサイクル史において重要な位置を占めています。 様々な排気量のバリエーションが存在したことで、初心者から上級者まで幅広い層のライダーに対応してきた点もRMシリーズの魅力の一つといえるでしょう。

もう一度検索