スタッファルダの戦い

スタッファルダの戦いについて

スタッファルダの戦いは、1690年8月18日にサヴォイア公国のスタッファルダで発生した戦闘であり、大同盟戦争のイタリア戦役における重要な局面を形成しました。この戦いは、サヴォイア公ヴィットーリオ・アメデーオ2世がアウクスブルク同盟に加わった後の初めての大規模な戦闘であったと言われています。

背景情報

大同盟戦争は1690年に3年目を迎え、主要な戦場はスペイン領ネーデルラントとなっていました。オランダ軍はイングランド軍の支援を受けて戦っており、ライン川沿いではドイツの諸侯がフランス軍と向き合っていましたが、戦局は二転三転していました。その中で、イタリア戦役は同盟軍がフランスに圧力をかけるための可能性を秘めていました。

サヴォイア公の領土は、ニース伯領、サヴォイア公国、アオスタ公国、ピエモンテ公国などに区分され、特にピエモンテ公国はトリノを中心に人口が多く、最も重要な地域となっていました。フランス王ルイ14世はサヴォイアを軽んじており、一方でヴィットーリオ・アメデーオ2世は独立を保つ努力をしつつも、時にはフランス王に従わなくてはならない状況に追い込まれていました。

1690年初頭、ヴィットーリオ・アメデーオ2世は明確な反仏姿勢を示してはいませんでしたが、フランスの要求が次第に厳しくなっていきました。そして、彼はサヴォイアの独立を守るために、アウクスブルク同盟への加入を模索し始めます。彼は軍備を整え、イングランドやスペインからの支援を受けつつ、6月には正式にフランスに対して宣戦布告を行います。

戦闘の開始

戦闘が始まると、フランス軍はニコラ・カティナの指揮の下、ピエモンテに進軍しました。サヴォイア側もスペインからの援軍や、プロテスタントのヴァルド派が自衛のために武器を取って参加するなど、戦力を増強していきました。しかし、フランス側はカティナの指導のもと、迅速に領土を侵攻し、住民に重圧をかけました。

両軍は、8月18日にスタッファルダの修道院付近で衝突しました。地形の障害によってサヴォイア軍は一時的に優位に立ちましたが、フランス軍はその後突破し、激しい戦闘の末サヴォイア軍を圧倒しました。この戦いでヴィットーリオ・アメデーオ2世は2800人の死傷者を出し、12門の大砲のうち11門を失いました。一方、フランス軍の損害は約2000人でした。

戦闘後の状況

戦闘の後、カティナはフランス軍の指揮を強化し、サルッツォやフォッサーノを次々と占領しました。これにより、ヴィットーリオ・アメデーオ2世の領土のほとんどがフランスに圧迫されることとなりました。その結果、住民たちは重税で苦しむこととなり、フランス側はさらに圧力を強めました。

また、プリンツ・オイゲン率いる帝国軍も到着しましたが、スペイン軍の動きが鈍いために効果的な反撃ができない状況でした。このように、戦後のピエモンテは疲弊し、フランス軍が維持することも難しい状況に陥ってしまいました。結果として、ピエモンテの資源は荒廃し、なんとか冬を越すために、さまざまな後退を強いられることになりました。

このスタッファルダの戦いは、同盟の目標を大きく左右する結果となり、戦争の流れに重要な影響を与えました。

もう一度検索