ニコラ・カティナ

ニコラ・カティナの軍歴と功績

ニコラ・カティナ（Nicolas Catinat、生年1637年9月1日 - 亡年1712年2月22日）は、ブルボン朝フランスの著名な軍人です。彼のキャリアは、数々の戦争を通じて数多くの戦功を挙げたことで知られています。カティナは、フランス軍において特に重要な役割を果たし、オランダ侵略戦争でまず名前を知られるようになります。その後、彼はさまざまな戦闘での経験を活かし、さらにその地位を確固たるものとしました。

カティナの軍人としての初期の功績は、1686年に発生したヴァルド派の追放に関わったことで広く認知されています。この取り組みは、彼の名声を高める一因となりました。そして、1688年に始まった大同盟戦争でもカティナはその才能を発揮し、ドイツのフィリップスブルク包囲戦に参加。その後、イタリア戦線に任命され、さらなる成功を収めます。

特筆すべきは、彼が1690年にシュタファルダの戦いで勝利し、1693年のマルサリーアの戦いでもサヴォイア公であるヴィットーリオ・アメデーオ2世に勝った点です。これにより、1696年にはサヴォイアを同盟から脱退させるという見事な成果をそこから導き出しました。その功績によって、カティナは1693年に元帥に叙任され、フランス軍の指導者としての地位を確立しました。

カティナはスペイン継承戦争でも活躍し、イタリア戦線の司令官として指揮を取りますが、戦争の波は彼に容赦しませんでした。1701年、プリンツ・オイゲン率いる部隊に防衛線を突破され、カルピの戦いでの敗北を経て、彼はヴィルロワ公と交替する形で副司令官に降格されます。さらに、キアーリの戦いでも戦果は振るわず、その後、ドイツ戦線に移動しライン川の守備を担当しますが、次第に戦局は厳しくなり、ついには引退を余儀なくされました。

カティナは最終的に、サン＝グラティアンで生涯を閉じ、74歳でこの世を去ります。彼の残した回想録は、1819年に出版され、その内容には彼の豊かな経験や見解が反映されており、歴史における重要な資料となっています。

ニコラ・カティナの多彩な軍歴と彼がもたらした戦果は、フランスの軍事史において重要な位置を占めており、その功績は今なお評価されています。

もう一度検索