スタディボックス

スタディボックスとは

スタディボックスは、福武書店（現ベネッセコーポレーション）が1986年4月に発売した、家庭用ゲーム機ファミリーコンピュータ（ファミコン）の周辺機器として開発された電子学習教材です。任天堂との業務提携により誕生しました。

通常のゲームショップでは販売されず、福武書店が運営する進研ゼミ小学講座の会員のみが、テキスト「チャレンジ」の申し込み用紙を通じて購入できました。初年度の機器レンタル料は15,000円、次年度は10,000円、教材テープは月額3,500円でした。初期モデルは退会時に本体を返却する必要がありましたが、後期モデルでは買取制となりました。

教材内容の特徴

スタディボックスの教材は、物語形式でゲーム感覚で学習できる点が特徴です。各月ごとに異なるキャラクターが登場し、様々なストーリー展開の中で学習を進めていきます。プレイヤーは、画面を見ながら専用テキストを使用し、選択肢やクイズ、計算などに正解しないと先に進めない仕組みになっています。ゲーム要素も盛り込まれており、章の最後には「まとめよう」という学習内容の確認ができるまとめが表示されます。

さらに、月ごとの学習が終わった後には、おまけとしてゲームが付いていることが多く、特に算数では二人対戦が可能なパズルゲームも用意されていました。専用教材テープは100タイトル以上が存在するとみられます。

イングリッシュコースでは、1993年頃からテキストに加え、ゲームや音声データが収録されたカセットテープ、添削問題集が提供されました。章末には「添削問題専用リスニングゲーム」があり、ゲームをしながら添削答案用紙に解答を記入し、イングリッシュチャレンジへ郵送するシステムでした。添削後には、努力賞シールが返送されました。

使用方法

スタディボックスは、専用テープを本体に入れ、ディスクシステムのようにファミコン本体に接続して使用します。操作はファミコンのコントローラーで行います。セーブ機能はありませんが、起動画面で章単位でページを選択できるため、途中から再開できます。ただし、カセットテープの早送りに多少の時間を要しました。電源は本体とファミコンにそれぞれ必要で、本体用ACアダプタはファミコン用と同等でした。本体の電源ランプは、通電ではなくファミコン本体の電源に連動していました。

主な登場キャラクター

ベネッセの他の教材と同様に、スタディボックスにもオリジナルのキャラクターが登場し、音声を通じて学習をサポートしました。

サイエンスコース:
ガウス君
オーム君
ホッタロー（理科）
タンバリン（算数）
のりドン（特集）
森安教授

イングリッシュコース:
ジョニー
小池先生
長田先生

開講当初は、進研ゼミ小学講座と同じブコマッチがキャラクターとして使用されていました。

ポコ（国語）
カニまる（算数）
ライきち（理科）
ブッチ（社会）

特別付録

各講座には、特別付録が付属する月もありました。例えば、イングリッシュコースでは「リトルメアリーのかみかざり」、小学3年生のサイエンスコースでは「トロプスワールド金色のどんぐり」「N57星を探ろう！」といったタイトルのテープが送られました。特に「金色のどんぐり」は、ファミコンならではのアクションゲームとして、学習教材とは思えないクオリティでした。

さらに、1986年夏には「学習アドベンチャー宝島」が、1987年夏には「カルバカルバの伝説」といったアドベンチャーゲームが付録として提供されました。

ハードウェア

初期モデル（MODEL1000）は、ディスクシステムと似た構成で、カセットテープを再生するドライブ本体と、ファミコンに接続するカセットアダプターから構成されています。ドライブ本体天面には突起があり、ファミコン本体を上に重ねて設置できるようになっていました。後継機では、カセットテープ再生機の底部にファミコン用ROMカートリッジのコネクタが一体化した構造でした。

講座は、小学3年生～5年生向けのサイエンスコース（テキスト名:ニュートンランド）と、小学4年生～6年生向けのイングリッシュコース（テキスト名:エンジョイイングリッシュ）があり、サイエンスコースでは算数と理科、イングリッシュコースでは英語を学習しました。開始当初は、国語、算数、理科、社会の4教科に対応していました。

一部のツインファミコンでは正常に動作しない場合がありました。

スタディボックスは、全部で三世代のモデルが存在し、第三世代は1991年から1994年にかけて販売されました。

スタディボックス本体（SBX-01）
消費電流:5V系50mA　10V系 100mA

スタディボックス専用ACアダプタ（SBX-02）
入力:AC100V 18VA 50/60Hz
出力:DC10V 850mA

ソフトウェア

ソフトウェアは、プログラムや音声データが収録されたカセットテープで、専用テキストと共に毎月送られてきました。カセットテープには、右チャンネルにプログラム、左チャンネルに音声が録音されており、テレビには左チャンネルの音声のみ出力されます。この仕組みにより、ファミコンで生の音声を用いた学習が可能になりました。

関連情報

関連項目:
ベネッセ
ファミリーコンピュータ ディスクシステム
キッズコンピュータ・ピコ
サテラビュー
ポケットチャレンジ V2 - ワンダースワンのOEM製品による学習システム
得点力学習DS - ベネッセ発売のニンテンドーDS用学習ソフト
外部リンク:
* パチファミ ブログ - ＦＣ学習機器！ - ウェイバックマシン

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