スターウッド・ホテル&リゾート

スターウッド・ホテルズ&リゾーツ・ワールドワイド（Starwood Hotels & Resorts Worldwide）について

スターウッド・ホテルズ&リゾーツ・ワールドワイドは、かつて世界規模で展開していた大手ホテルチェーンです。シェラトンやウェスティンなど、多様なブランドを抱え、世界中の旅行者に利用されていました。しかし、2016年にマリオット・インターナショナルに買収され、現在はその傘下となっています。この記事では、スターウッドの歴史、ブランド構成、日本での展開について詳しく解説します。

歴史

スターウッドの歴史は、1937年にアーネスト・ヘンダーソンとロバート・ムーアがマサチューセッツ州でホテル「ストーンヘブン」を買収したことから始まりました。その後、積極的にホテルを買収し、1949年にはカナダのホテルチェーンを買収して世界規模へと成長しました。

1960年代にはラテンアメリカと中東に進出し、1965年には100軒目のシェラトンホテルをオープン。1985年には中国にも進出しました。1995年には、より手頃な価格帯の「フォーポイント・バイ・シェラトン」ブランドを立ち上げ、ビジネスやレジャーでの利用に対応しました。

「シェラトン」というブランド名は、買収したボストンのシェラトンホテルのネオンサインがきっかけで誕生しました。ネオンサインの撤去費用を避けるため、ヘンダーソンがブランド名を「シェラトン」に決定したという逸話があります。

1990年代には、青木建設が所有していたウェスティンを買収。1998年にはシェラトンも買収し、5つのブランドを擁するスターウッド・ホテルズ&リゾーツ・ワールドワイドが誕生しました。同年には、デザイナーズホテルブランド「W」も設立しています。

スターウッドが急成長を遂げた背景には、航空会社などで普及していた会員制組織（フリークエント・ビジネス・プログラム）の拡大と充実がありました。顧客を獲得するために世界中にホテルが必要だったため、シェラトンとウェスティンの買収は不可欠だったのです。

2005年にはル・メリディアンを買収し、さらに規模を拡大。2006年にはアロフトとエレメント、2015年にはトリビュートポートフォリオを設立しました。しかし、2015年1[[1月]]、マリオット・インターナショナルによる買収が発表され、2016年4月にスターウッドはマリオット傘下となりました。

ブランド

スターウッドは、様々なニーズに対応するため、複数のブランドを展開していました。ブランドごとのビジネスモデルやターゲット層は異なりますが、宿泊料金が高い順に並べると以下のようになります。

高級ホテル

セントレジス (St. Regis): 1904年創業の高級ホテルをルーツとするブランド。
ザ・ラグジュアリーコレクション (The Luxury Collection): 歴史的な建物や豪華なインテリアが特徴。
Wホテル (W Hotels): デザインに特化したデザイナーズホテル。
ウェスティン (Westin): かつて日本の企業が所有していたこともあるブランド。
ル・ロイヤル・メリディアン (Le Royal Méridien): エールフランスが経営していたホテルをルーツとする高級ブランド。
トリビュートポートフォリオ (Tribute Portfolio): 独立系高級ホテルを厳選したブランド。
シェラトン・グランド (Sheraton Grand): シェラトンの上位ブランド。

中級ホテル

ル・メリディアン (Le Méridien): エールフランスが経営していたホテルをルーツとする中級ブランド。
シェラトン (Sheraton): スターウッド最大のホテル数を誇るブランド。

低価格ホテル

アロフト (Aloft Hotels): Wホテルの低価格ブランド。
エレメント・バイ・ウェスティン (Element by Westin): ウェスティン系の低価格ブランドで、長期滞在向け。
フォーポイント・バイ・シェラトン (Four Points by Sheraton): シェラトン系の低価格中規模ホテル。

マリオット・インターナショナルでは、これらのブランドを「ラグジュアリー（高級ホテル）」「プレミアム（中級ホテル）」「セレクト（低価格ホテル）」「長期滞在」に分類しています。

日本での展開

スターウッドは日本でもホテルを展開していましたが、マリオットの傘下となったことで、ブランドの変更や提携解消がありました。

提携解消したホテル

旧ホテル・グランパシフィック・メリディアン（現：グランドニッコー東京 台場）: 2008年に提携解消後、リブランド。
ホテルパシフィック東京（現：SHINAGAWA GOOS）: 2010年に閉館。
大阪全日空ホテルシェラトン（現：ANAクラウンプラザ[[ホテル大阪]]）: 2008年にブランド変更。
シェラトンホテル札幌（現：ホテルエミシア札幌）: 2014年にブランド変更。
ウェスティンナゴヤキャッスル（現：ホテルナゴヤキャッスル）: 2018年にフランチャイズ契約解消。
ウェスティンホテル淡路（現：グランドニッコー淡路）: 2020年にブランド変更。

進出を断念したホテル

（仮称）セントレジス東京: 米国の会計基準変更により計画中止。
（仮称）W Yokohama: 計画が頓挫。
（仮称）シェラトン沖縄宜野湾ホテル: 開発会社の経営破綻により計画中止。

新規開業予定のホテル

Wホテル（北海道）: ニセコビレッジ内に開業予定。
アロフト東京銀座: 2020年春に開業予定。
アロフト堂島（仮称）: 2020年度開業予定。
* HIYORIチャプター京都トリビュートポートフォリオホテル: 2021年6月開業予定。

まとめ

スターウッド・ホテルズ&リゾーツ・ワールドワイドは、多くのブランドを擁し、世界中で愛されたホテルチェーンでした。その歴史は、積極的な買収とブランド戦略によって彩られてきました。現在はマリオット傘下となり、ブランド名は消滅しましたが、その影響力は今もなお続いています。

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