スティーヴ エトウ

スティーヴ・エトウのプロフィール

スティーヴ・エトウ（本名：衛藤高登）は、日本のパーカッショニスト（重金属打楽器奏者）として活躍しているアーティストです。1958年にアメリカのロサンゼルスで生まれ、その後もニューヨークで幼少期を過ごしました。家族は音楽に染まっており、父親は全盲のカリスマ箏曲家としてアメリカで名を馳せました。兄はビクターで音楽家を育てるような仕事をし、弟は和太鼓奏者という家庭環境で育った彼は、音楽とは切り離せない人生を歩んでいます。

アメリカ生まれの彼は、日本の国籍を持たずアメリカ国籍を保有しています。早稲田大学系属早稲田実業学校高等部を経て早稲田大学に進学し、学生時代には音楽活動も展開していました。

音楽キャリアのスタート

高校1年生のとき、サンタナの音楽に触発されてパーカッションを始めました。最初に購入した楽器はボンゴで、渋谷で14,000円で手に入れたものです。この頃から音楽の道を歩むことを決心した彼は、プロとしてのキャリアを西田敏行のツアー参加を経てスタートさせました。その後、ヤマハのコンテスト「EastWest'81」にて、ベストパーカッショニスト賞を受賞し、その名が広がり始めます。

ジャンルを越えた演奏スタイル

エトウは自身を「重金属打楽器奏者」と位置付け、従来の打楽器にとどまらず、ドラム缶や自動車のバンパーなど、さまざまな素材を利用した演奏スタイルを得意としています。この独自のアプローチは、吉川晃司のサポートとして参加したツアーで初めて披露されました。

また、ルーパーを用いて多声のボイスパーカッションや、グラインダーを使用して火花を散らすパフォーマンスは、観客を魅了しています。彼は映像制作にも取り組んでおり、演奏時には自ら制作した映像と合わせてパフォーマンスを行うこともあります。

活動の幅と奄美への情熱

エトウは、これまでに様々なバンドに参加し、名称も「爆風銃」や「PINK」など多岐にわたります。小泉今日子や布袋寅泰などの著名なアーティストのバックバンドでも活躍し、その音楽スキルの高さが広く認識されています。また、かつて参加した三波春夫のツアーの影響で、新潟県三島郡越路町の三波の銅像には彼の名前も刻まれています。

彼はまた、奄美群島への愛着も強く、1998年に初めて奄美大島を訪れて以来、毎年数回足を運び続けています。奄美の文化や音楽に深く関わり、特に奄美の打楽器「ちぢん」を多数保有し、奄美のハブ皮を使ったオリジナルのドラムスティックを制作しています。彼は「はぶ大使」としても知られ、奄美の伝統文化を大切にしています。

現在と未来

長年にわたり東京都世田谷区に住んでいましたが、2015年からは奈良市に移住。その後、奈良市のならまちにギャラリー工房「太古堂」を開設し、地域の音楽イベントにも積極的に参加しています。温和なルックスとスキンヘッドが特徴で、映画『一遍上人』への出演など、多方面での活動を展開し続けています。

スティーヴ・エトウはその独自の演奏スタイルと多才な活動を通じて、今後も日本の音楽シーンで重要な役割を果たし続けるでしょう。

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