スティーヴン・アスムッセン

スティーヴン・アスムッセン：北米競馬史に名を刻む調教師

スティーヴン・アスムッセンは、アメリカ合衆国を代表するサラブレッドとクォーターホースの調教師です。テキサス州とケンタッキー州を拠点に活動し、類まれな成功を収めてきました。2004年には年間最多勝利記録、2021年には北米歴代最多勝記録を更新するなど、その実績は輝かしいものがあります。アスムッセン家は代々競馬に関わっており、彼の両親も調教師、兄は騎手という生粋の競馬一家に育ちました。

騎手から調教師へ

サウスダコタ州で生まれ育ったアスムッセンは、16歳でニューメキシコ州で騎手としてデビュー。その後、ニューヨーク州でも騎手として活躍しましたが、身長と体重の増加により騎手を引退、1986年にニューメキシコ州で調教師としてのキャリアをスタートさせました。

驚異的な勝利数と数々の栄光

調教師として頭角を現したアスムッセンは、サラブレッド競馬で特に顕著な成績を残しています。2002年には407勝を挙げ、リーディングジョッキーに輝きました。2004年には年間555勝という驚異的な記録を達成し、それまでの年間最多勝記録を塗り替えました。

その後も勝利数を伸ばし続け、2008年には622勝を記録。この年には、エクリプス賞最優秀調教師賞にも輝きました。2009年には623勝を達成し、2年連続で最多勝、エクリプス賞最優秀調教師賞を獲得しました。

2020年には2歳馬ジャッキーズウォリアーでG1競走を複数制覇するなど、6つのGⅠを含む重賞17勝を挙げました。更に、北米で史上2人目となる通算9000勝を達成、獲得賞金でもトップとなり、両部門で北米リーディングに輝きました。

そして2021年、サラトガ競馬場で通算9446勝目を挙げ、長年破られなかったデイル・ベアードの北米歴代最多勝記録を更新しました。

名馬たちとの出会い

アスムッセンの厩舎には、数々の名馬が所属していました。

カーリン (Curlin): プリークネスステークス、ブリーダーズカップ・クラシック、ドバイワールドカップなどG1競走を数多く制覇した名馬です。
レイチェルアレクサンドラ (Rachel Alexandra): ケンタッキーオークス勝ち馬で、アスムッセンの厩舎に移籍後もプリークネスステークスなどG1競走で勝利しました。
* ジャッキーズウォリアー (Jackie's Warrior): 2020年にホープフルステークス、シャンパンステークスなどG1競走を制覇しました。

他にも、ドリームズギャロー、レイディータック、キュヴィー、サマーリー、プライヴィットヴァウ、スチューデントカウンシルなど、多くの名馬を管理し、数々の栄光を掴んできました。

伝説の調教師

アスムッセンは、類まれな才能と努力によって、北米競馬史にその名を刻みました。10回ものリーディングジョッキー獲得、そして北米歴代最多勝記録という偉業は、彼の卓越した調教師としての能力と情熱を示すものです。彼の功績は、これからも長く語り継がれていくでしょう。

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