スティーヴン・マイゼル

スティーヴン・マイゼル（Steven Meisel, 1954年6月5日 - ）は、アメリカ合衆国ニューヨーク出身の著名な写真家です。

パーソンズ美術大学でイラストレーションを学んだ後、ファッションデザイナーの下でイラストレーターとしてのキャリアをスタートさせました。また、パートタイムで母校であるパーソンズ美術大学で講師を務めた経験も持ちます。当初は写真家になることを考えていませんでしたが、アーヴィング・ペンやリチャード・アヴェドンといった巨匠写真家たちを敬愛するうちに、イラストよりも写真という表現媒体に可能性を感じるようになります。

転機となったのは、雑誌の仕事で頻繁に出入りしていたエリート・モデル・マネジメントに所属するモデルたちのテスト撮影の機会を得たことでした。平日はイラストレーターとして仕事をする傍ら、週末はモデルのために写真を撮り始めます。その写真が『セブンティーン』誌の編集者の目に留まり、本格的に写真家へと転身しました。

現在では、ファッション写真業界で最も成功した写真家の一人として広く認知されており、長年にわたりアメリカ版およびイタリア版の『ヴォーグ』誌で中心的役割を果たしています。また、ドルチェ&ガッバーナ、プラダ、ヴェルサーチ、アルマーニ、カルバン・クラインなど、名だたるトップブランドの広告キャンペーンを手がけています。

マイゼルの作品は、時に暴力的、あるいは退廃的と評されることもありますが、彼は自身の作品の特徴を「グラマラス」であると定義しています。その言葉通り、彼の写真は常に美と洗練を追求し、見る者を魅了し続けています。

リンダ・エヴァンジェリスタやカレン・エルソンなど、数多くのトップモデルを発掘したことでも知られています。また、彼自身もインディアンの血を引く個性的な容姿を活かして、モデルとして活動していた時期があります。

さらに、スティーヴン・マイゼルは、マドンナの物議を醸した写真集『SEX』の撮影を手がけたことでも、その名を知られています。彼の写真は、常に時代の先端を走り、社会に大きな影響を与え続けています。

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