スティーヴ・ストレンジ

スティーヴ・ストレンジ：ニューロマンティックの旗手

スティーヴ・ストレンジ（Steve Strange、出生名：スティーブン・ジョン・ハリントン）は、1959年5月28日にウェールズのケアフィリで生まれ、2015年2月12日に55歳でこの世を去りました。彼は、1980年代のニューロマンティック・ムーブメントを牽引したバンド、ヴィサージの中心人物として、音楽史にその名を刻んでいます。

若き日々：パンクとの出会い

1976年、ストレンジはセックス・ピストルズのライブに衝撃を受け、グレン・マトロックと親交を深めます。マルコム・マクラーレンの下で働くためにロンドンへ渡り、自身のパンクバンド、The Moors Murderersを結成しますが、短期間で解散。その後、The Photonsというバンドでボーカルを務めました。また、ラスティ・イーガンと共にナイトクラブを立ち上げ、ホストやDJとしても活躍しました。

ヴィサージ：ニューロマンティックの隆盛

1978年、リッチ・キッズやマガジンのメンバーらとシンセポップバンド、ヴィサージを結成。この頃からスティーヴ・ストレンジというステージネームを使用し始めました。ヴィサージは、グラムロックの影響を受けた耽美的なルックスと、シンセサイザーを多用したダンサブルなサウンドで、ニューロマンティック・ムーブメントの代表的なバンドとして一躍人気を博します。

代表曲は、「Fade to Grey」など。

ヴィサージは3枚のアルバムを発表した後、1985年に解散。その後、ストレンジはThe Photonsのメンバーだったウェンディ・ウーと共にストレンジ・クルーズを結成し、アルバムをリリースしますが、商業的には成功しませんでした。

その後

1980年代後半からは音楽業界から一時的に身を引き、スペインのイビサ島でクラブ経営やイベントプロデューサーとして活動しました。2002年には、「Here and Now Tour」に参加し、ヴィサージ時代の楽曲を披露。2004年からはVisage Mk IIとしてヴィサージを再結成し、本格的に活動を再開しました。

晩年

2015年2月12日、エジプトのシャルム・エル・シェイクで心臓発作により死去。55歳でした。

私生活

ストレンジは、自身のセクシュアリティについて公にはっきりとした言及を避け、男性・女性両方と関係を持ったことを明かしています。また、長年にわたりヘロイン中毒や精神的な病に苦しみ、万引きで逮捕され服役した経験も持っています。2002年には自叙伝『Blitzed!』を出版し、自身の性や私生活上のトラブル、そして音楽活動への復帰について赤裸々に語りました。

スティーヴ・ストレンジは、その短い生涯の中で、音楽、ファッション、そしてカルチャーに大きな影響を与えました。彼の音楽は、これからも多くの人々を魅了し続けるでしょう。

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