ステビオール配糖体

ステビオール配糖体について

ステビオール配糖体とは、南アメリカに自生するキク科の植物であるステビア（Stevia rebaudiana）の葉から抽出される甘味成分です。これらの化合物は、ステビア甘味料の主成分であり、近縁のS. phlebophyllaや、バラ科のRubus chingiiにも見られます。

ステビオール配糖体は、一般的に砂糖（スクロース）の30倍から320倍の甘味を持つとされています。ただし、文献によってはこの数値が異なることもあるため、注意が必要です。また、これらの化合物は熱やpHに対して安定しており、発酵しない特性を持っています。興味深いことに、人間はステビアを代謝することができないため、ステビオール配糖体を摂取しても血糖値に影響を与えることはありません。ステビオール配糖体の1日当たりの摂取許容量（ADI）は、体重に対して4 mg/kgと定められており、この基準はラットの実験結果に基づいています。

化学構造と成分

ステビオール配糖体は、ステビオールという分子がグルコースとの結合によって形成されている配糖体です。この化合物の構成物質と、それらの乾燥重量比率は以下の通りです：

• - ステビオシド（5–10%）
• - ズルコシド A（0.5–1%）
• - レバウジオシドA（2–4%）
• - レバウジオシドC（1–2%）
• - その他のレバウジオシドやルブソシドも微量存在します。

これらの成分の中で、ステビオシドが最も多く含まれ、その比率は市場で流通しているステビオール配糖体混合物の分析によっても確認されています。さらに、中国原産の植物Rubus chingiiは、ステビアには含まれないルブソシドという配糖体が見られます。このルブソシドはEUの規制によって、ステビア由来の甘味料の一部と認識されています。

ステビオール配糖体の発見は1931年にさかのぼり、化学者のBridel氏とLavelle氏によって初めて分離されました。ステビオシドは、ヒドロキシル基に2分子のグルコースが結合しているのに対し、レバウジオシドAでは3分子が結合する構造を持っており、甘味度はそれぞれ異なります。

生合成のプロセス

ステビオール配糖体の生合成は、ステビアの緑色組織で行われます。最初にステビオールが色素体で生成され、その後のグルコシル化プロセスを経て、最終的なステビオール配糖体が形成されます。生合成に関わる代謝経路は、一次代謝のピルビン酸およびグリセルアルデヒド-3-リン酸から始まり、最終的にステビオールとなります。これにより、グリコシル化された形で液胞に保存されます。

ステビオール配糖体は、その甘味特性と代謝の仕組みから、健康志向な甘味料として注目されています。糖尿病患者などにとって、血糖値を気にせず利用できる代替甘味料の一つとして評価されています。

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