ステビア

ステビア：甘味料としての歴史と多様な可能性

ステビア(学名: Stevia rebaudiana)は、パラグアイなどの南アメリカを原産とするキク科の多年草です。草丈は50cm～1m程度で、白い細毛に覆われた茎を持ち、夏から秋にかけて白い小花を咲かせます。別名アマハステビアとも呼ばれています。

甘味料としてのステビア

ステビアの葉には、ステビオシドやレバウディオサイドAといったテルペノイド配糖体が含まれており、これらが強い甘味をもたらします。ステビオシドはショ糖の約300倍もの甘味度を誇ります。

原産国のパラグアイでは古くからマテ茶などに甘味を付ける目的や、薬草として利用されてきました。現代においては、その高い甘味と低カロリーという特性から、ダイエット食品や糖尿病患者向けの食品などに砂糖の代替として用いられています。

ステビアが商品化されたのは1971年、日本の守田化学工業による世界初の快挙でした。九州地方など、甘い醤油を好む地域では、多くの醤油メーカーがステビアを採用しています。また、1990年には大塚製薬が「ポカリスエット ステビア」を発売するなど、飲料業界でも広く利用されています。

その後、コカ・コーラやペプシコ、サントリー、アサヒ飲料など、世界的な飲料メーカーがステビアを使用した製品を開発、販売しています。

ステビアの体内動態と安全性

動物実験によると、経口摂取されたステビオシドは小腸で吸収されず、腸内細菌によってステビオールに分解され、そのまま排出されます。

[食品添加物]]としての認可状況は国によって異なり、日本、ロシア、台湾、マレーシア、ブラジル、韓国などでは早くから認可されていましたが、アメリカやEU諸国では、既存の甘味料業界の抵抗により、認可が遅れました。しかし、アメリカ食品医薬品局]は2008年にステビア[[甘味料を承認し、状況は変化しています。日本でも、2004年には暫定的な1日摂取許容量(ADI)が設定され、2007年には正式なADIが定められています。

ステビアのその他の用途と研究

ステビアは甘味料としてだけでなく、古くから薬草としても用いられてきました。ブラジルとパラグアイの先住民グアラニー族は、心臓病、高血圧、胸焼け、尿酸値の改善などに用いており、神聖な植物として崇拝していました。現在でも、糖尿病や高血圧の治療、健胃剤、二日酔いや疲労回復への効果が期待されています。

その他、パラグアイでは整腸剤や美容、防虫剤としても用いられてきました。近年では、ステビアの茎を発酵・熟成させた健康飲料や化粧品への応用も進んでいます。

研究では、ステビアの茎の熱水抽出物が緑茶の5倍以上の抗酸化力を持つことが示されています。また、ヒスタミンの解毒作用も確認されています。

2006年には、千葉大学薬学部の研究グループが、ステビアが2型糖尿病の原因であるインスリン抵抗性を改善する可能性を発表しました。また、2008年には、米国消化器病学会で、ステビアエキスがC型肝炎ウイルスの増殖を抑制する可能性が報告されました。

まとめ

ステビアは、その甘味のみならず、多様な薬効や健康効果が期待される植物です。今後の研究によって、さらに多くの可能性が明らかになることが期待されます。

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