ステファヌス9世 (ローマ教皇)

ステファヌス9世について

ステファヌス9世（Stephanus IX、生年不詳 - 1058年3月29日）は、第154代ローマ教皇であり、在位期間は1057年8月2日から1058年3月29日までと短いものでした。

生涯

ステファヌス9世は、神聖ローマ帝国の有力貴族であるロレーヌ公ゴツェロ1世の三男として生まれました。兄にはロレーヌ公ゴドフロワ3世がいます。もともとはモンテ・カッシーノ修道院の修道士でしたが、先代教皇ウィクトル2世が、ハインリヒ4世の後見人としてゴドフロワを取り込もうとした際に、その一環として、修道院長に抜擢されました。さらに、枢機卿や聖庁尚書院長、司書官といった重要な役職を歴任しました。

ウィクトル2世の死後、わずか6週間後の1057年8月2日、ステファヌス9世は新教皇に選出されました。教皇就任後も修道院長の職務を兼務し、修道院改革を推進しました。ペトルス・ダミアニやフンベルトゥス、ヒルデブランド（後のグレゴリウス7世）といった有能な人材を側近に迎え、改革を断行しました。しかし、コンスタンティノポリス総主教ミハイル1世を破門し、東西教会の分裂を早めてしまうという失敗も犯しています。

1057年の夏には、幼帝ハインリヒ4世を廃位し、兄のゴドフロワ3世を帝位に就けようと目論みました。これは、イタリア南部のノルマン人勢力に対抗するための策だったとされています。しかし、この頃から体調を崩し、後継者を指名しないまま、1058年3月29日にフィレンツェで亡くなりました。在位期間は7ヶ月と26日でした。

教皇としての功績と課題

ステファヌス9世の教皇としての主な功績は、修道院改革の推進と、有能な人材を登用したことでしょう。しかし、同時に、東西教会の分裂を招いてしまったことは、大きな課題として残りました。

また、兄を皇帝にしようとした政治的な動きも、当時としては大きな出来事でした。しかし、体調を崩して死去したことで、その計画は実現しませんでした。

在位期間は非常に短いものでしたが、その間に教会と政治の両面で重要な役割を果たした教皇でした。

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