ストィル川

ストィル川は、ウクライナ北西部とベラルーシ南部を流れる、プリピャチ川の重要な支流です。

地理

水源はウクライナのリヴィウ州に位置するヴォルィーニ高地。リヴィウ州、ヴォルィーニ州、リウネ州を流れ、国境を越えてベラルーシのブレスト州へと至り、最終的にプリピャチ川に合流します。

流域には、ベレステーチコ、ロジーシチェ、ルーツィク、クズネツオーウシクといった都市が点在しています。

河川の特徴

全長は494kmに及び、そのうちベラルーシ国内を70km流れます。流域面積は13100km²で、ベラルーシ国内はそのうち493km²を占めます。河口での年間平均流量は49,5㎥/秒です。

地形的な特徴として、上流域では台形の狭い渓谷を形成し、大地に深く切れ込んでいます。渓谷の斜面は険しく、高さ30 - 40mに達する場所もあります。中流域では、幅2kmに及ぶ広大な氾濫原が広がり、三日月湖も見られます。河口付近では2つの派川に分かれ、プリピャチ川へと流れ込みます。

春の氾濫期には水量が著しく増加し、年間水量の50%を占めるほどです。

生態系

ベラルーシ南部では、プリピャチ川とストィル川の間のプロストィリ氾濫原に、スゲとヨシが繁茂する湿地帯が広がっています。この湿地は、ハシボソヨシキリの重要な繁殖地となっており、1997年にはラムサール条約登録地として登録されました。

河川の利用と研究

1922年以降、18の水理学局において、ストィル川に関する河川学的な研究が行われてきました。また、川の水は農業用水として揚水され、土地改良に利用されています。

ストィル川は、周辺地域の生活、経済、そして生態系にとって、かけがえのない存在と言えるでしょう。

もう一度検索