ストックホルムの血浴

ストックホルムの血浴

ストックホルムの血浴（スウェーデン語: Stockholms blodbad）は、1520年にデンマーク王クリスチャン2世がスウェーデンの首都ストックホルムで実施した、大規模な処刑事件です。この出来事は、スウェーデン人に対する粛清として広く知られています。

背景

スウェーデンの独立を巡る内戦は、1435年頃に始まり、デンマーク王国が北欧全土を支配していた時代の中で、スウェーデン人は独立のために立ち上がりました。反乱が続く中、摂政ストゥーレ家が中心となって抵抗を続けていました。1518年には、スウェーデンのカルマル同盟維持派であるウプサラ大司教グスタフ・トーレが独立派に敗れ、デンマークに追放されました。

クリスチャン2世は1418年に再びスウェーデンに進軍しようとしましたが、ストックホルム近くでストゥーレの軍に敗北しました。それでも彼は決意を変えず、1520年に多くの傭兵を雇って再度スウェーデンへ侵攻。独立派の指導者小ステン・ストゥーレが致命傷を負って死亡し、反乱軍は混乱しました。スウェーデンの帝国議会（リクスダーゲン）は、クリスチャン2世を王として認める決断をしましたが、抵抗を続けたクリスティーナ・ギレンスティアーナは、一時的な勝利を収めたものの、結局降伏し、クリスチャン2世の元に行きました。

血浴の実行

1520年11月4日、クリスチャン2世はストックホルムの大聖堂で国王として宣言され、続いて晩餐会を開きました。彼は独立派の罪を許すと信じられていましたが、実際には壮大な陰謀でした。晩餐会に招かれた貴族、僧侶、都市の有力者たちは、籠城後に捕えられ、11月8日に形ばかりの裁判を受けて死刑判決を下されました。この日のうちに、100名以上のスウェーデンの指導者たちが処刑され、ストックホルムの大広場には大量の血が流れました。

クリスティーナは最後まで抗戦を続けましたが、結局は降伏。彼女は「生き埋めか火炙りか」の選択を迫られ、最終的には命を助けられましたが、デンマークに送られて幽閉されることとなりました。

その後の影響

クリスチャン2世は、ストックホルムの血浴によって反乱の芽を根絶することができると考えましたが、この事件は逆にスウェーデンの解放運動をけん引するきっかけとなりました。反乱を受け入れながらその言葉を裏切ったことで、スウェーデン人の団結が生まれました。これにより、後にスウェーデン独立戦争の新たな指導者となるグスタフ・ヴァーサが登場しました。彼は北部スウェーデンで反乱軍を組織し、スウェーデンの独立を勝ち取ります。このグスタフこそが、後にスウェーデン王グスタフ1世となる人物です。

この一連の出来事は、スウェーデンにおける独立の象徴として今も記憶されています。ストックホルムの血浴は、反乱と弾圧の痛ましい歴史を物語る出来事であり、スウェーデン人の誇りと勇気を呼び起こしています。

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