カルマル同盟

カルマル同盟について

カルマル同盟（Kalmarunionen）は、1397年にデンマーク、ノルウェー、スウェーデンの三国間で結ばれた同盟であり、成立の地がスウェーデンのカルマルであることからその名がつけられました。同盟は物的同君連合の一種として位置づけられ、デンマークが主導的な役割を果たしましたが、各国の統合を強化するための重要な協定でもありました。1523年にスウェーデンが独立すると、カルマル同盟はデンマーク＝ノルウェー二重王国へと移行します。

同盟の成立と背景

同盟の形成は、デンマーク王母マルグレーテ1世の尽力によるもので、彼女は女子王位の先駆者的存在となりました。初代君主のエーリク7世は、治世中に様々な軍事行動を行いましたが、特にスレースヴィやホルステンに対する出兵に失敗し、これによる増税が国民の不満を招く結果となりました。さらに、エーレスンド海峡に課される海峡税はデンマークにとって莫大な財政を生むものではありましたが、国王の権威に対する挑戦も引き起こしました。

デンマークの貴族たちは強い力を持ち、間接的に王政に干渉する要因となりました。王権は安定せず、1448年にはオルデンブルク家が世襲王家として認められました。この家の下でデンマークは北欧地区において強国としての存在感を示すことになります。1460年にはスレースヴィとホルステンの領有を確保し、海軍力を強化してバルト海での支配権を握りました。

しかし、スウェーデン国内では独立を求める動きが次第に強まり、2代目君主クリストファー3世の時代に特に顕著でした。その後も支配権を巡っての争いが続き、1471年にはスウェーデンにおける王位の交代が多く起こりました。1497年にハンスがスウェーデンの王に即位しますが、反乱は収まらず、スウェーデンの分離への道は明らかになっていきました。

デンマーク＝ノルウェー二重王国の成立

1520年、スウェーデンの独立派に対する粛清が行われ、「ストックホルムの血浴」が引き金となり、カルマル同盟は崩壊の危機を迎えました。スウェーデンのヴァーサ家による反乱が起こり、1523年にスウェーデンは独立し、スウェーデン王国が誕生しました。この結果、デンマークはノルウェーに対する支配を強化し、デンマーク＝ノルウェー二重王国として再編成されました。

この二重王国は1814年まで存続し、特にノルウェーは1537年にカトリックが排除され、プロテスタントとしての道を歩むことに。デンマークは経済的にノルウェーを支配し、独立の機会は薄いままとなりました。ノルウェーのカトリック大司教の抵抗がありましたが、しばしば失敗に終わりました。

同盟の衰退と崩壊

ナポレオン戦争の影響により、デンマークはイギリス・スウェーデンの連合軍から攻撃を受け、1814年のキール条約によりノルウェーを失いました。この過程でカルマル同盟は完全に消滅し、デンマークはその後の歴史の中で新たな道を模索することになります。このように、カルマル同盟の歴史は北欧三国の複雑な政治関係を象徴する重要な出来事であり、同時にその後の歴史に影響を与えました。

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