ストライプ (企業)

Stripe, Inc.は、アメリカのカリフォルニア州サンフランシスコとアイルランドのダブリンに本社を置く、金融サービスおよびSaaS企業です。兄弟であるパトリック・コリソンとジョン・コリソンによって共同設立されました。主な事業として、eコマースウェブサイトやモバイルアプリケーション向けの決済処理ソフトウェアとAPIを提供しています。

事業内容

Stripeは、開発者がマーチャントアカウントの代わりに利用できる決済プラットフォームを提供しています。これにより、ウェブサイトやアプリでの料金受領が容易になります。手数料体系は、取引ごとに2.9%に0.30ドルを加算する方式ですが、設置料金や月額料金、最低料金、検証料金、カードストレージ料金、取引失敗時の料金は設定されていません。このため、総コストが他社よりも低くなる可能性があります。取引完了まで7日間の保留期間を設けることで、企業のリスクプロファイリングや不正行為の検知を行っています。

現在、13,000以上のサイトで利用され、19カ国での決済に対応しています。2014年には、オーストラリア、ベルギー、フィンランド、フランス、ドイツ、ルクセンブルク、オランダ、スペインでオープンベータを開始し、アメリカ国内だけでなく世界的に成長を遂げています。また、LyftやInstacartといったモバイルアプリケーションでもStripeのソフトウェアが採用され、Lyftのドライバーへの直接支払いなどにも利用されています。

ポール・グレアムは、オンライン決済を「世界のインフラにおける最も重要な構成要素の一つ」と評しつつ、その複雑さについても言及しています。Stripeは、この課題の解決に取り組んでいると評価されています。さらに、Stripeは透明性を重視しており、第三者からの法的利用停止要求をChilling Effectsのウェブサイトに掲載しています。

歴史

2010年初頭、ジョンとパトリック・コリソンは、オンライン決済の複雑さに着目し、Stripeを設立しました。当初の目標は、オンライン決済を簡素化し、インターフェイスを通じて容易に利用できるようにすることでした。会社設立当初は「/dev/payments」という社名でしたが、「SLASHDEVSLASHFINANCE」に変更。その後、社外での誤記や混乱を避けるため、現在の「Stripe」に再度社名を変更しました。

2010年6月にはY Combinatorからシードファンディングを受け、2011年5月にはピーター・ティール、セコイア・キャピタル、アンドリーセン・ホロウィッツから200万ドルの出資を受けました。2012年2月には、セコイア・キャピタル主導で1億ドルの評価額でシリーズA投資として1,800万ドルを調達しました。

大規模なプライベートベータを経て、2011年9月29日に一般公開版をリリース。2012年7月には、ジェネラル・カタリスト・パートナーズ、セコイア・キャピタル、ピーター・ティール、エラッド・ギル、レッドポイント・ベンチャーズ、クリス・ディクソン、アーロン・レヴィからシリーズB投資として2,000万ドルの資金調達に成功しています。

2013年3月11日には、タスクマネジメントアプリケーションのKickoffを買収。2014年1月には、セコイア・キャピタル、ファウンダーズ・ファンド、コスラ・ベンチャーズ、アレン・アンド・カンパニーから1億7,500万ドルの評価額でシリーズC投資として8,000万ドルの投資を受けました。

2014年3月、パトリック・コリソンCEOは、Stripeがビットコイン取引に対応することを発表しました。これにより、現地の通貨とビットコインでの発生原価を自動的に計算し、7日以内に銀行口座に振り込むことが可能になるとされています。さらに、自動資金決済センターを通じた決済にも対応し、アメリカ国内の顧客銀行口座への支払いが可能になりました。

2014年10月には、iOSアプリケーションで使用されるApple Payに対応したソフトウェア開発キットの決済プロバイダの一つに選ばれました。

関連項目

サブスクリプション方式
ペイメントゲートウェイ
電子商取引
ペイメントサービスプロバイダ
Square, Inc.

脚注

公式ウェブサイト

もう一度検索