ストラ・エンソ

Stora Enso Oyj：世界をリードする林産企業の歴史と事業

Stora Enso Oyjは、フィンランド・ヘルシンキに本社を置く、世界的に著名な林産企業です。その歴史は古く、スウェーデンとフィンランドの二大林産企業の合併によって1998年に誕生しました。現在では、林産品、紙製品に加え、パッケージング、バイオマテリアルといった多角的な事業を展開し、世界30カ国以上に現地法人を持ち、17カ国に工場を構えるグローバル企業へと成長を遂げています。日本にも、ストゥーラエンソジャパン株式会社として拠点を置いています。

悠久の歴史：Stora Kopparbergからの継承

Stora Ensoの前身の一つであるStora社は、その起源を13世紀にまで遡ります。スウェーデンのファールンの銅山組織Stora Kopparberg（ストラ・コッパルベリ）として、1288年には既に株式が発行されており、現存する世界最古の株式証券の一つとされています。1347年にはスウェーデン王マグヌス4世から勅許状を与えられ、世界最古の事業会社の一つとも言われています。

当初は銅山の運営が中心でしたが、18世紀以降は鉄鉱石、そして19世紀末にはパルプ工業、製紙業へと事業を多角化。1978年には鉱業・製鉄業から撤退し、林業に特化するという大胆な決断を行い、1984年には社名をStoraに変更しました。かつて世界を席巻したファールンの銅山は1992年に閉山しましたが、その跡地は現在世界遺産として登録されています。

もう一つのルーツ：エンソ＝グートツァイト

もう一方の前身企業であるエンソ＝グートツァイト(Enso-Gutzeit Oy)は、1860年、ドイツ系ノルウェー人のヴィルヘルム・グートツァイトがノルウェーに設立した製材所が起源です。その後、フィンランドのキュミ川河口に製材所を設立し、フィンランド最大の林産企業へと成長しました。フィンランド独立後、国有企業となり、第二次世界大戦での被害を乗り越え、1990年代にはヨーロッパ最大の林産企業を目指してUPMキュンメネとしのぎを削る存在となりました。

多様化する事業ポートフォリオ

Stora Ensoは、伝統的な林業・製紙業に加え、積極的に事業の多様化を進めています。現在の売上構成比は、林業16％、製紙業28％、パッケージング関連37％、バイオマテリアル事業15％となっており、パッケージング事業が大きな柱となっています。持続可能な森林管理と革新的な技術開発により、環境問題への配慮も欠かしません。

グローバル展開と日本法人

Stora Ensoは、ヨーロッパを中心にアメリカ合衆国や中国など世界中に拠点を持つグローバル企業です。フィンランド、スウェーデンを始め、ドイツ、ロシアなど、多くの国で事業を展開し、フィンランドではUPMに次ぐ規模を誇ります。その株主には、フィンランド政府や社会保険庁なども名を連ねています。日本法人のストゥーラエンソジャパン株式会社は東京にオフィスを構え、日本市場においても重要な役割を担っています。

まとめ

Stora Ensoは、700年以上の歴史を持つStora Kopparbergから始まる長い歴史と、時代の変化に対応した積極的な事業展開により、世界有数の林産企業へと成長しました。多様化する事業ポートフォリオとグローバルな展開は、今後も持続可能な発展を続けるための重要な基盤となるでしょう。

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