ストレンジ・ウーマン

ストレンジ・ウーマン (Strange Kind of Woman)

「ストレンジ・ウーマン」は、イギリスのロックバンドであるディープ・パープルが1971年にリリースしたシングル楽曲です。音楽シーンにおいて大きな反響を呼び、全英シングルチャートで最高8位を記録するヒットとなりました。

この曲はアルバムに収録されていない新曲として、1971年2月にシングルとして発表されました。前作シングルの「ブラック・ナイト」もまたアルバム未収録の新作であり、こちらは全英シングルチャートで2位に達する成功を収めていました。この2曲は、ディープ・パープルにとって全英のトップ10に入った唯一のシングルとなり、その後の彼らのキャリアにおいて重要な位置付けを持つこととなります。

ディープ・パープルは同年の9月にアルバム『ファイアボール』を発表しましたが、「ストレンジ・ウーマン」は本国イギリスやヨーロッパ各国では収録されていませんでした。しかし、アメリカ、カナダ、日本では、イギリス盤に収録された「デイモンズ・アイ」に代わってこの曲が収録されることとなります。後に、1996年には『ファイアボール』のCD再発盤において、ロジャー・グローヴァーによるリミックス版「Strange Kind Of Woman '96」が追加収録されました。

シングルのB面には、インストゥルメンタル曲「グラブスプラッター」のリフを基に制作された「アイム・アローン」が収録されています。この曲に関してグローヴァーは、録音に1時間かかり、朝5時には録音とミキシングを終わらせたと振り返っています。「アイム・アローン」も『ファイアボール』には収録されず、後に『The Deep Purple Singles A's and B's』や『ファイアボール』の25周年記念盤に収録されることになりました。

「ストレンジ・ウーマン」は、イアン・ギランがボーカリストであった期間中は、ライブでも頻繁に演奏される人気曲となりました。特に代表的なライブアルバム『ライヴ・イン・ジャパン』(1972年)や、他の公式音源としては『イン・コンサート』(1972年演奏)、『In the Absence of Pink』(1985年演奏)、『ノーバディーズ・パーフェクト』(1987年演奏)、『トータル・アバンダン』(1999年演奏)、『Live at Montreux 2006』(2006年演奏)などに収録されています。

このライブ演奏では、1970年代以来、ギランがスキャットを用いてリッチー・ブラックモアのギターとの即興の掛け合いを楽しむ演出が行われており、ファンにとっても特別な瞬間となっています。「ストレンジ・ウーマン」は、ディープ・パープルの楽曲の中でも際立った存在感を誇り、今日でも多くの人に愛され続けています。

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