ノーバディーズ・パーフェクト

1988年、ディープ・パープルはライブ・アルバム『ノーバディーズ・パーフェクト』を発表しました。このアルバムは、1984年に再結成した第2期メンバー、すなわちイアン・ギラン（ボーカル）、リッチー・ブラックモア（ギター）、ジョン・ロード（オルガン）、ロジャー・グローヴァー（ベース）、イアン・ペイス（ドラムス）による第5期ディープ・パープルが、1987年に行ったヨーロッパとアメリカでのツアーからの音源を収録したものです。

このアルバムの選曲は、彼らのライブ・パフォーマンスの軌跡を反映しています。特に、伝説的なライブ・アルバム『ライヴ・イン・ジャパン』（1972年）からの楽曲が中心となっており、往年のファンにはたまらない内容となっています。さらに、第5期の第1弾アルバム『パーフェクト・ストレンジャーズ』（1984年）や『ハウス・オブ・ブルー・ライト』（1987年）からの楽曲も組み込まれ、新旧のファンを魅了する構成となっています。

特筆すべきは、結成20周年を記念して演奏された、第1期のデビュー・シングル「ハッシュ」が収録されている点です。この曲は、ディープ・パープルの原点回帰を示すとともに、長年のファンへの感謝の気持ちを表しているかのようです。

また、ライブならではの即興演奏も聴きどころ満載です。「ハード・ラヴィン・ウーマン」のギター・ソロでは、「アンダー・ザ・ガン」のフレーズが引用され、リッチー・ブラックモアの遊び心と卓越した技術が垣間見えます。「ストレンジ・ウーマン」では、ミュージカル『ジーザス・クライスト・スーパースター』の一節が挿入され、楽曲に新たな彩りを添えています。そして、「ウーマン・フロム・トーキョー」は、途中からバディ・ホリーの「エヴリディ」へと変化し、観客を驚かせるとともに、会場の一体感を高めています。

『ノーバディーズ・パーフェクト』は、当初LP、カセットテープ、CDと異なる収録曲で発売されました。LPには「デッド・オア・アライヴ」が、カセットテープには「バッド・アティテュード」が収録されていませんでした。CDはさらに収録曲数が少なく、「デッド・オア・アライヴ」「バッド・アティテュード」「スペース・トラッキン」の3曲が収録されていませんでした。しかし、1999年に発表された2枚組リマスターCDでは、これらの楽曲が全て網羅され、完全版として楽しむことができるようになりました。

収録曲

DISC 1
1. ハイウェイ・スター - Highway Star
2. ストレンジ・ウーマン - Strange Kind of Woman
3. デッド・オア・アライヴ - Dead or Alive
4. パーフェクト・ストレンジャーズ - Perfect Strangers
5. ハード・ラヴィン・ウーマン - Hard Lovin' Woman
6. バッド・アティテュード - Bad Attitude
7. ノッキング・アット・ユア・バック・ドア - Knocking at Your Back Door

DISC 2
1. チャイルド・イン・タイム - Child in Time
2. レイジー - Lazy
3. スペース・トラッキン - Space Truckin'
4. ブラック・ナイト - Black Night
5. ウーマン・フロム・トーキョー - Woman from Tokyo
6. スモーク・オン・ザ・ウォーター - Smoke on the Water
7. ハッシュ - Hush

『ノーバディーズ・パーフェクト』は、ディープ・パープルのライブ・パフォーマンスの魅力を余すところなく伝える、ファン必携のアルバムと言えるでしょう。

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