ロジャー・グローヴァー

ロジャー・グローヴァー（Roger David Glover, 1945年11月30日 - ）は、ウェールズ出身のベーシスト、キーボーディスト、音楽プロデューサーです。ハードロックバンド、ディープ・パープルのメンバーとして世界的に知られています。2016年にはディープ・パープルとしてロックの殿堂入りを果たしました。

生い立ちと音楽への目覚め

1945年、サウス・ウェールズのブレコンで生まれたグローヴァーは、幼少期から音楽に親しみます。9歳からピアノを習い始め、10歳の時にロンドンへ移住。この頃からロック音楽に強い興味を持ち、13歳でギターを始め、16歳で初めてのベースギターを手に入れました。

プロとしてのキャリア

いくつかのアマチュアバンドを経て、1964年7月にエピソード・シックスに加入し、プロデビュー。エピソード・シックスでは、後にディープ・パープルで共に活動するイアン・ギランを迎えましたが、ヒットには恵まれませんでした。

1969年、リッチー・ブラックモアに誘われ、ギランと共に第2期ディープ・パープルに加入。アルバム『イン・ロック』、『ファイアボール』、『マシン・ヘッド』などの名作を次々と発表し、バンドの黄金時代を築き上げます。しかし、メンバー間の軋轢が表面化し、1973年にギランと共にバンドを脱退しました。

プロデューサーとしての才能開花

ディープ・パープル脱退後、グローヴァーは、バンドが設立したレコード会社「パープル・レコーズ」で音楽プロデューサーとしての活動を開始します。ナザレス、エルフ、ステイタス・クォー、ジューダス・プリースト、イアン・ギランなど、数多くのアーティストのアルバムを手がけ、その才能を発揮しました。

1974年には初のソロ・アルバム『バタフライ・ボール』を発表。1979年には、リッチー・ブラックモアに誘われ、レインボーにベーシスト、作詞家、プロデューサーとして参加し、再びブラックモアとの蜜月関係を築きます。

ディープ・パープルの再結成と現在

1984年、第2期ディープ・パープルが再結成され、グローヴァーも参加。以降、2023年現在に至るまで、ギラン、イアン・ペイスと共にバンドを支え続けています。2006年には、ドリーム・シアターがディープ・パープルのライブ・カバー・アルバムを制作した際に、プロデューサーとして関与しました。

2014年には、これまでの音楽への貢献が認められ、故郷のサウス・ウェールズ大学から名誉フェローを授与されました。

使用機材

初期にはフェンダー・プレシジョンベース、リッケンバッカー4001、ギブソン・サンダーバードなどを使用していましたが、近年はヴィジェ社のシグネイチャーモデルを愛用しています。

ロジャー・グローヴァーの音楽的遺産

ロジャー・グローヴァーは、ベーシストとしての卓越した技術に加え、作曲家、プロデューサーとしても非凡な才能を発揮し、数々の名作を生み出してきました。ディープ・パープルの黄金時代を支えただけでなく、数多くのアーティストの作品をプロデュースし、ハードロック界に多大な影響を与えた人物として、その名は永遠に刻まれるでしょう。

ディスコグラフィー

ソロ・アルバム
バタフライ・ボール(1974年)
エレメンツ(1978年)
マスク(1984年)
Snapshot(2002年)
If Life Was Easy(2011年)
エピソード・シックス
ディープ・パープル
レインボー
ギラン & グローヴァー
アクシデンタリー・オン・パーパス(1988年)
プロデュース作品
デイヴィッド・カヴァデール
[ホワイトスネイク]
嵐の叫び(1978年)
ディープ・パープル
パーフェクト・ストレンジャーズ(1984年)
ハウス・オブ・ブルー・ライト(1987年)
ノーバディーズ・パーフェクト(1988年)
スレイヴス・アンド・マスターズ(1990年)
紫の聖戦(1993年)
紫の証(1996年)
アバンダン(1998年)
エルフ
エルフ(1972年)
キャロライナ・カウンティ・ボール(1974年)
バーン・ザ・サン(1975年)
ジューダス・プリースト
背信の門(1976年)
ナザレス
ラザマナズ(1973年)
威光そして栄誉(1974年)
競獅子(1974年)
レインボー
ダウン・トゥ・アース(1980年)
[アイ・サレンダー]
闇からの一撃(1982年)
[ストリート・オブ・ドリームス]
* [ファイナル・ヴァイナル]

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