ストークス

ストークス（記号: St）は、CGS単位系における動粘度の単位であり、その名前は、流体力学に多大な貢献をしたアイルランドの物理学者、ジョージ・ガブリエル・ストークスにちなんで名付けられました。

定義

1ストークス（1 St）は、密度が1グラム毎立方センチメートル (g/cm³) で、粘度が1ポアズ (P, dyn·s/cm²) である流体の動粘度と定義されています。動粘度とは、粘度を密度で割った値であり、ストークスの単位は以下のようになります。

St = (g/cm·s)/(g/cm³) = cm²/s

この式からわかるように、ストークスは単位時間あたりの面積を表す単位であり、流体の運動のしやすさを示す指標となります。

表記

ストークス (stokes) は、人名「Stokes」に由来する単位であり、末尾の「s」は複数形を示すものではありません。しかし、アメリカ合衆国では「stoke」を単数形として使用することがあります。ただし、複数形は常に「stokes」と表記します。

SI単位との関係

国際単位系 (SI) において、動粘度には固有の名称を持つ単位はありません。SI組立単位としては、平方メートル毎秒 (m²/s) が用いられます。これは、センチメートルをメートルに置き換えた単位です。ストークスと平方メートル毎秒の関係は以下のようになります。

1 St = 0.0001 m²/s

ストークスは非SI単位であり、国際単位系に関する国際文書には記載されていない非推奨の単位です。

日本の計量法における扱い

日本の計量法では、ストークスは国内外で広く使用されており、使用を禁止すると混乱を招く恐れがあるため、粘度の単位であるポアズと共に法定計量単位として使用が認められています。これは、計量法第四条第二項に関連し、計量法に基づく計量単位一覧で、「SI単位のある量についての非SI単位」として扱われています。具体的には、5量18単位の中に含まれています。

まとめ

ストークスは、CGS単位系における動粘度の便利な単位として、長年使用されてきました。しかし、国際単位系が普及するにつれて、SI単位である平方メートル毎秒の使用が推奨されるようになっています。それでも、現場においては、ストークスが引き続き使用される場面もあり、特に歴史的な文献や特定の分野においては、ストークスの知識が必要となることがあります。ストークスは、流体の性質を理解する上で重要な概念の一つであり、その定義とSI単位との関係を理解しておくことは、物理学や工学などの分野で役立ちます。


ストークスは、非SI単位でありながら、その利便性から特定の分野で引き続き使用されている動粘度の単位です。この単位を理解することで、流体の性質をより深く理解することができるでしょう。

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