ポアズ

ポアズ：粘性を測るCGS単位

ポアズ(poise, 記号:P)は、流体の粘性を表すCGS[[単位系]]における単位です。1913年、フランスの物理学者ジャン・ポアズイユの名にちなんで命名されました。ポアズイユは、流体における粘性に関する研究で知られる重要な人物です。

ポアズの定義は、流体の粘性抵抗を定量的に表すことにあります。具体的には、1ポアズとは、流体中に1cmにつき1cm/sの速度勾配がある場合、この速度勾配に垂直な1cm²の面積に1ダイン(dyn)の力が作用する時の粘度と定義されます。式で表すと、1 P = 1 dyn·s/cm² となります。

しかし、ポアズは数値が大きくなるため、実際にはセンチポアズ(cP, 1cP = 0.01P)やミリポアズ(mP, 1mP = 0.001P)といった単位が頻繁に用いられてきました。これにより、より扱いやすい数値で粘性を表現することが可能になります。

SI単位系との換算と現状

国際[単位系]において、[粘度]]の単位はパスカル秒]です。ポアズとパスカル[[秒は、1 Pa·s = 10 P の関係で換算できます。ポアズはSI単位ではありませんが、長年使用されてきた歴史的背景から、現在でも一部の分野で使用されています。

日本の計量法においては、ポアズは国内外で広く用いられており、使用を禁止することで混乱を招くおそれがあるため、法定計量単位として使用が認められています。これは、長年蓄積されたデータや慣習を考慮した、現実的な対応と言えるでしょう。しかし、科学論文や国際的な場面では、SI単位であるパスカル秒の使用が推奨されています。

水の粘度

摂氏25度における水の粘度は約0.0089ポアズ、または8.9ミリポアズです。これは、水の粘性が比較的低いことを示しています。水の粘度は温度によって変化し、温度上昇とともに粘度は減少します。この性質は、様々な自然現象や工学的な応用において重要な役割を果たしています。

関連単位：ストークス

粘度と密度の比で表される動粘度の単位として、ストークス(St)があります。ストークスは、流体の流れやすさを示す指標であり、ポアズと同様に粘性に関する重要な概念です。ポアズとストークスは、流体の粘性に関する様々な側面を理解する上で重要な単位です。

まとめ

ポアズは、[CGS単位系]]における粘度の単位であり、SI単位であるパスカル秒]に置き換えつつあるものの、歴史的経緯や実際的な理由から、現在でも使用が認められています。センチポアズや[[ミリポアズといった単位も広く用いられており、流体の粘性を表す際に重要な役割を果たしています。水の粘度といった具体的な数値例を知ることで、ポアズという単位の理解がより深まるでしょう。また、関連単位であるストークスについても理解することで、流体の粘性に関する全体像を把握することが可能になります。

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