ストークリー・カーマイケル

ストークリー・スタンフォード・チャーチル・カーマイケル（Stokely Standiford Churchill Carmichael）は、1941年6月29日にトリニダード・トバゴのポートオブスペインで生まれ、1998年11月15日にギニアのコナクリで亡くなった、アメリカの公民権運動における重要な指導者です。

生い立ちとアメリカでの差別経験

カーマイケルは11歳の時にアメリカに移住しましたが、当時のアメリカは人種差別が合法化されていた時代であり、彼自身も黒人であるという理由で差別を受けました。この経験が、彼を差別撤廃運動へと駆り立てる原動力となりました。

公民権運動への参加

1960年、カーマイケルは反人種差別を訴える学生運動に参加しました。この運動は、アメリカ南部各地で非暴力的な直接行動として展開され、公民権運動の大きな流れを形成しました。1964年には公民権法が施行されたものの、依然として人種差別は根強く残っており、多くのアフリカ系アメリカ人の若者が不満を募らせていました。その中で、カーマイケルは彼らから強い支持を集めました。

学生非暴力調整委員会（SNCC）の議長へ

1966年、カーマイケルは学生非暴力調整委員会（Student Non-violent Coordinating Committee、略称SNCC）の第3代目議長に就任しました。SNCCは、公民権運動において重要な役割を果たした学生組織です。カーマイケルは、議長として組織をまとめ、運動をさらに発展させていきました。

「ブラック・パワー」の提唱

同年6月、カーマイケルは「ブラック・パワー」というスローガンを提唱しました。これは、黒人による政治的・経済的な自立を求める運動であり、一部のアフリカ系アメリカ人から熱狂的な支持を受けました。しかし、このスローガンは、アメリカ社会に大きな波紋を呼び、議論を巻き起こしました。

ブラックパンサー党との関わりと離党

カーマイケルは一時的にブラックパンサー党の主席を務めましたが、思想的な不一致から離党しました。ブラックパンサー党は、より急進的な運動を主張しており、カーマイケルの思想とは必ずしも一致しませんでした。

アフリカへの移住と改名

1969年、カーマイケルはアメリカを離れ、妻である歌手のミリアム・マケバと共にギニアに移住しました。この際、彼は自身の名前を「クワメ・ツレ」に改名しました。クワメ・ツレは、ギニアにおいて、汎アフリカ主義の思想を広め、アフリカの統一と解放のために尽力しました。

晩年と死

クワメ・ツレは、1998年にギニアの首都コナクリで死去しました。彼の生涯は、人種差別に立ち向かい、正義と平等を求めた、勇敢な闘いの歴史として記憶されています。

関連項目

公民権運動
ゴードン・パークス
* マーティン・ルーサー・キング・ジュニア

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