ストーク・フィールドの戦い

ストーク・フィールドの戦い：薔薇戦争終結の地

ストーク・フィールドの戦いは、1487年6月16日にイングランドのイースト・ストーク近郊で行われた、薔薇戦争における最後の主要な戦闘です。この戦いは、テューダー朝のヘンリー7世に対するヨーク派の最後の抵抗として位置づけられています。

王位を巡る争い

ヘンリー7世は、ランカスター家の血を引く人物として王位に就き、ヨーク家のエリザベス王女との結婚を通じて両家の融和を図りました。しかし、彼の王位は依然として不安定であり、ヨーク家の勢力はくすぶり続けていました。

ヨーク家で最も有力な王位継承候補は、エリザベス王女の従兄弟にあたるウォリック伯エドワードでした。しかし、彼はロンドン塔に幽閉されていました。ランバート・シムネルという少年がウォリック伯を名乗り、リンカーン伯ジョンに担ぎ上げられます。リンカーン伯自身も王位継承権を持つ人物であり、リチャード3世から後継者に指名された経緯がありました。彼はシムネルを利用し、ヨーク家の復権と王位奪還を企てます。

リンカーン伯は、ブルゴーニュ公妃マーガレットの支援を得て、1,500人のドイツ・スイス傭兵を雇い入れました。さらに、リチャード3世の支持者であったラヴェル子爵フランシスなどの貴族たちも合流し、反乱軍は勢力を拡大していきます。

ヨーク派の反乱

1487年5月、ヨーク派の軍勢はアイルランドに上陸し、アイルランドの大法官トマス・フィッツジェラルド卿の協力を得て、4,500人のアイルランド傭兵を雇いました。リンカーン伯は、ダブリンでランバート・シムネルを「エドワード6世」として戴冠させます。そして、軍を率いてイングランドへ上陸し、ランカシャーを目指しました。

ヨーク派の軍勢は各地で兵力を増強し、最終的には8,000人に達しました。ブラムハム・ムーアでは、ラヴェル卿率いる軍がランカスター派の軍を破るなど、各地で勝利を重ねました。リンカーン伯は、ヘンリー7世の北方軍を出し抜き、ヨークを攻撃して牽制しました。その後、南下を続けましたが、ドンカスターでランカスター軍の騎兵隊に遭遇し、追撃を受けました。この追撃により、ヨーク派の進軍は遅延しました。

ヘンリー7世は、ストレンジ卿の増援部隊をスケールズ卿に合流させ、ヨーク派に対抗する態勢を整えます。そして、リンカーン伯がトレント川を渡河したとの知らせを受け、ニューアークへ進軍しました。

戦いの火蓋

1487年6月16日午前9時頃、ヘンリー7世軍の前衛が、イースト・ストーク村の丘陵地帯でヨーク派軍と遭遇し、ストーク・フィールドの戦いが始まりました。ヨーク派は高地の利を捨てて攻撃を仕掛けましたが、3時間以上に及ぶ激戦の末、軽装のアイルランド兵が多数の犠牲を出すこととなりました。退路を断たれたドイツ・スイス傭兵は最後まで勇敢に戦いましたが、リンカーン伯、フィッツジェラルド卿、バウトン卿、シュヴァルツといった指揮官たちは戦死しました。ラヴェル子爵は脱出に成功したものの、後に隠れ家で餓死体で発見されました。シムネルは捕らえられましたが、ヘンリー7世に赦免され、王室の台所で働くこととなりました。

ストーク・フィールドの戦いは、ヨーク派の最後の抵抗を打ち砕き、薔薇戦争に終止符を打ちました。ヘンリー7世の王位は安定し、テューダー朝の繁栄が始まることになります。

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