スドゥパシュチム州

スドゥパシュチム州は、ネパール連邦民主共和国の最西端に位置する州であり、その地理的な特徴から「極西部州」とも呼ばれることがあります。2015年9月20日にネパール新憲法の施行に伴い、新たな州として誕生しました。当初は「第七州」という名称でしたが、2018年9月28日に現在のスドゥパシュチム州へと改名されました。また、州都は当初ダンガディに置かれていましたが、後にゴダワリへと変更されました。

この州は、ネパール国内において人口、面積ともに比較的小さい部類に入ります。2021年の国勢調査によると、人口は約271万人で、これはネパール全体の約9.2%に相当します。人口規模では、ネパール7州の中で5番目に位置しています。面積は1万9539平方キロメートルで、これはネパール全体の約13.3%を占めており、7州中6番目の大きさです。ただし、領有権が争われている地域を含めると、面積は1万9874平方キロメートルに拡大します。人口密度は1平方キロメートルあたり約140人です。

スドゥパシュチム州の歴史を遡ると、この地域はかつての極西部開発区域とほぼ同じ範囲をカバーしています。この開発区域は2015年に廃止され、スドゥパシュチム州へと再編されました。

人口の推移を見ると、1981年には約132万人であった人口は、その後一貫して増加傾向にあります。1991年には約168万人、2001年には約219万人、2011年には約255万人と増加を続け、2021年には約271万人に達しています。

スドゥパシュチム州は、北をチベット自治区、東をカルナリ州、南東をルンビニ州、南をインドのウッタル・プラデーシュ州、西をインドのウッタラーカンド州と接しています。

行政区画としては、以下の9つの郡で構成されています。

アチャーム郡
カイラリ郡
カンチャンプル郡
ダルチュラ郡
ダンデルドゥラ郡
ドーティ郡
バイタディ郡
バジャーン郡
* バージュラ郡

特にダルチュラ郡の北部にあるカラパニ地域は、インドとの間で領土問題となっています。1962年の中印国境紛争以降、インドが実効支配していますが、ネパールはスガウリ条約に基づいて領有権を主張しています。2019年11月にインドがカラパニ地域を自国領土に含めた地図を発表したのに対し、ネパールは2020年5月にカラパニ地域をスドゥパシュチム州に含めた地図を発表しました。これにより、州の面積が335平方キロメートル増加しました。

州内の主要都市としては、2011年のデータに基づくと、マヘンドラナガル（約10万6千人）、ダンガディ（約10万4千人）、ティカプル（約5万7千人）などが挙げられます。

交通インフラとしては、ゴクレシュウォル空港、シルガディ空港、ダンガディ空港、ティカプル空港、バジャン空港、バジュラ空港、パタン空港、マヘンドラナガル空港などの複数の空港が存在します。

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