スバル・ソルテラ

ソルテラ（SOLTERRA）

ソルテラは、SUBARUが販売するCセグメントのクロスオーバーSUV型の二次電池式電気自動車であり、トヨタ自動車が展開するトヨタ・bZ4Xの姉妹車でもあります。両車両は共同で開発されており、トヨタ元町工場にて生産されています。ソルテラは、トヨタ自動車が開発したEV専用プラットフォームであるe-スバルグローバルプラットフォームを採用した初のスバル車です。このモデルは、2022年までに米国、カナダ、日本、欧州、中国で販売が開始される予定でした。

概要

2019年、トヨタとSUBARUの両社は、EV専用プラットフォームの開発と、CセグメントクラスのSUVモデルの共同開発に合意しました。この決定から数年後の2021年5月に、ソルテラという名前が公表され、同年11月に内外装デザインや基本スペックが発表されました。また、2022年の東京オートサロンではソルテラ STIコンセプトが初めて公開され、注目を集めました。

2022年4月には日本市場向けの価格が発表され、5月12日からの受注開始が告知されました。ソルテラは、全数リース方式のbZ4Xとは異なり、現金一括やクレジットなど、多様な購入プランが提供されています。モデルはET-SS（前輪駆動および四輪駆動）とET-HS（四輪駆動のみ）の2つがあり、価格はET-SSの前輪駆動が594万円から、ET-HSの四輪駆動が682万円までの範囲で設定されています。

性能面では、前輪駆動モデルが最高出力150 kWを発揮し、二モーターの四輪駆動モデルは160 kWに達します。搭載されるバッテリーは71.4 kWhのリチウムイオン電池であり、高い電力を供給します。車両型式にはトヨタ流の命名規則が使用されている一方、スバル社内では独自の型式が付与されています。

受注開始直後には、リコールが発表される事態がありましたが、その後の調査によって問題が確認され、恒久対策が講じられました。2022年11月には、JNCAPの安全性能評価においてファイブスター賞を受賞し、その後ユーロNCAPでも同様の評価を得ました。

2023年には改良モデルが発表され、安全技術がさらに強化されました。アドバンストドライブやレーンチェンジアシスト、更新されたフロントパワーシートなどが新たに搭載され、より快適で安全な運転が可能になっています。

トヨタ・bZ4Xとの違い

ソルテラは姉妹車のbZ4Xと比較して、いくつかの重要な違いがあります。まず、ソルテラはエネルギーの回生力を調整するために、ステアリングにパドルシフターを装備しています。また、走行モードには「パワー」モードが加わり、さらに四輪駆動モデルの場合、bZ4Xとは異なり常時四輪駆動を維持する仕組みとなっています。

また、サスペンションやステアリングにおいても調整が加えられており、よりスポーティな走行を楽しむことができる仕様です。後席にシートヒーターを搭載するなど、乗員の快適性を高める工夫も随所に見られます。そして何より、bZ4Xがリースに限定されるのに対し、ソルテラは購入オプションが用意される点が顕著な違いです。

車名の由来

「ソルテラ」という名称は、ラテン語で「太陽」を意味する「SOL」と「地球、または大地」を示す「TERRA」を組み合わせた造語です。このネーミングには、太陽の光で充電される新しい時代のエコな車という理念が込められています。

このように、ソルテラは環境に優しい性能に加え、安全性や快適性も兼ね備えた現代の電気自動車としての位置付けを持っており、これからの自動車業界において重要な役割を果たすと期待されています。

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