スバル・EF型エンジン

スバル・EF型エンジンの詳細

スバル・EF型エンジンは、富士重工業（現在のSUBARU）が1983年8月から1998年12月まで製造していた、水冷4ストロークのSOHC直列3気筒ガソリンエンジンです。このエンジンは、1000ccおよび1200ccの小排気量車向けに設計され、特に海外市場への輸出を目的としていました。

EF型エンジンの特徴

EF型エンジンはスバル唯一の直列3気筒エンジンであり、鋳鉄製のシリンダーブロックを持った軽量でコンパクトな設計が特徴です。特に軽自動車「サンバー」を基盤にして開発された「スバル・ドミンゴ」など、様々な小型車に搭載されていました。このエンジンは、タイミングベルトによって駆動されるカムシャフトと、チェーン駆動式のバランサーシャフトを組み込むことで、振動の抑制と静かな動作を実現しています。

また、スバルは1980年代から1990年代にかけて、多くの国々で市場開拓を進めていました。その中で、EF型エンジンはその小型車群のエンジンとして、企業のグローバル戦略において重要な役割を果たしていました。しかし、自社によるコンパクトカーの生産からは撤退したため、EF型も現在では生産を終了しています。

EF型エンジンのバリエーション

EFエンジンにはいくつかのバリエーションが存在します。主なものを以下に説明します。

EF10

• - 排気量: 997cc
• - ボア×ストローク: 78.0mm×69.6mm
• - バルブ数: 6 (各気筒2バルブ: 吸気1・排気1)
• - 圧縮比: 9.5:1
• - 燃焼室形状: 半球型
• - 燃料装置: 日立製シングルバレルキャブレター
• - 最大出力: 47 HP (35 kW; 48 PS) @ 5,000 rpm
• - トルク: 59 lb·ft (80 N·m) @ 3,200 rpm
• - 初搭載車種: ドミンゴ
• - その他搭載車種: ジャスティ

EF12

• - 排気量: 1,189cc
• - ボア×ストローク: 78.0mm×83.0mm
• - バルブ数: 9 (各気筒3バルブ: 吸気2・排気1)
• - 圧縮比: 9.0:1
• - 燃焼室形状: ペントルーフ型
• - 燃料装置: 日立製ダブルバレルキャブレター
• - 最大出力: 66 HP (49 kW; 67 PS) @ 5,200 rpm
• - トルク: 70 lb·ft (95 N·m) @ 3,600 rpm
• - 初搭載車種: ジャスティ
• - その他搭載車種: ドミンゴ

EF12（EMPi）

• - 排気量: 1,189cc
• - ボア×ストローク: 78.0mm×83.0mm
• - バルブ数: 9 (各気筒3バルブ: 吸気2・排気1)
• - 圧縮比: 9.1:1
• - 燃焼室形状: ペントルーフ型
• - 燃料装置: EMPi
• - 最大出力: 73 HP (54 kW; 74 PS) @ 5,600 rpm
• - トルク: 71 lb·ft (96 N·m) @ 3,600 rpm
• - 初搭載車種: ジャスティ(北米仕様)
• - その他搭載車種: ドミンゴ

まとめ

スバル・EF型エンジンは、そのユニークな設計と小型車市場への適応性によって、多くの人気車種に搭載されていました。スバルのエンジン系列の中でも特異な存在であり、現在でもその影響は色褪せることなく残っています。

もう一度検索