スバル・ドミンゴ

ドミンゴ (DOMINGO) の概要

ドミンゴは、かつて富士重工業（現在はSUBARU）が製造・販売していた多人数乗りのキャブオーバー・ワゴン車です。この車両は1983年に初代が登場し、その後1994年にフルモデルチェンジが行われ、1998年に生産が終了しました。ドミンゴは、その独自性や魅力から多くのユーザーに愛され続けた車です。

歴史

初代 KJ系（1983年-1994年）

初代ドミンゴは、軽ワンボックスカーのサンバートライをベースにしており、1.0Lエンジンを搭載した7人乗りのワゴン車として登場しました。日本市場においては、トヨタ・ミニエースコーチの生産が終了してから8年ぶりの3列シート車の復活でもありました。この車は、リッターカークラスの唯一無二のワンボックスワゴンとして、長年にわたり人気を博しました。

ドミンゴは、山間部の旅館やペンションの送迎車として重宝されており、その特性から一定の需要を持ち続けました。エンジンはEF10型の3気筒SOHCから派生しており、最高出力は56PS（グロス）でした。駆動方式は後部駆動（RR）とパートタイム式4WDがあり、５速MTトランスミッションが標準装備されていました。

1986年には、サンサンウインドゥという新しいオプションが追加され、フルタイム4WDとエンジンの排気量が1.2Lに拡大されました。その後、1994年5月に生産が終了され、在庫がなくなるまで販売が続けられました。

2代目 FA系（1994年-1998年）

2代目ドミンゴは1994年6月に登場し、初代からのフルモデルチェンジが施されました。サンバーディアスを基にしたこの新しいモデルは、全長が延長された大型バンパーを装備し、安全性が強化されました。このモデルもエンジンは先代のEF12型を採用し、ECVTトランスミッションが追加されたことで利便性が向上しました。

2代目では快適装備も充実し、パワーウインドウなどの便利な機能が取り入れられましたが、先代の特徴であったタコメーターは省略されました。1998年12月には、軽自動車の規格変更に伴い、ドミンゴの生産は終了しました。

このように、ドミンゴはその登場から約15年にわたって、市場で重要な役割を果たしていましたが、時代の変化に伴い、やがてその姿を消すこととなります。

輸出仕様

ドミンゴは国内だけでなく、国外にも輸出されていました。例えば、欧州ではスバル・リベロ、英国ではスバル・スモー、そしてドイツではスバル・Eシリーズとして販売されました。特に台湾では、大慶汽車によってノックダウン生産が行われ、地域によって異なるネーミングが付けられました。フィンランドでは、電気自動車仕様のスバル・エルキャットも存在しました。

車名の由来

ドミンゴという名前は、スペイン語で「日曜日」を意味しており、「この車に乗れば、気分はいつでも日曜日」というメッセージが込められています。また、過去の東京モーターショーでもこの名前が使われたことがあります。これは、車名の持つ軽快さや楽しさを象徴しています。

同車の人気は今でも根強く、熱心なファンによってオーナーズクラブが結成されているなど、その魅力は時代を超えて親しまれています。

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