スバル・EN型エンジン

スバル・EN型エンジンの概要

スバル・EN型エンジンは、1989年から2012年にかけて富士重工業（現・SUBARU）によって製造された軽自動車向けの水冷式直列4気筒ガソリンエンジンです。その期間において、スバルの軽自動車における技術革新と性能向上に寄与してきました。

エンジン誕生の背景

EN型エンジンは、同社が展開していたEK型エンジン（2気筒）に代わる後継モデルとして登場しました。ほかの自動車メーカーが3気筒エンジンを採用する中、4気筒エンジンを選択したことで、エンジンサイズを大きく変えることなく、原型モデルEK型との互換性を持たせることができました。初代のEN05は、EK23モデルを基にした拡張型で、シャーシの大幅な変更を必要とせずに搭載できました。

660cc化と性能向上

1990年には、日本の軽自動車の排気量規制が660ccに拡大され、EN型エンジンはEN07へ進化しました。このバージョンでは、ロングストローク構造を採用しており、低回転域でのトルクを増加させ、強化された走行性能を提供しました。また、軽トラックのサンバーシリーズにもこのエンジンが搭載されるようになりました。

プラットフォームの共通性

EN型エンジンには、レックスやR1/R2シリーズの前輪駆動車用と、サンバーの後輪駆動車用がありました。それぞれの車両には多くの部品が共通して使用されるなど、スバルの技術が活かされています。特にサンバーでは、エンジンを横倒しに配置する独特の設計がなされており、それにより前輪駆動モデルのエンジンとはシリンダーヘッドの給排気方向が反転しています。

燃費と性能の両立

EN型エンジンは、性能が求められる一方で、燃費性能にも優れていました。摩擦損失や熱効率の問題がある4気筒エンジンではありますが、滑らかな回転性と低振動がその強みです。このバランスの良さにより、製造が終了するまで根強い支持を得ました。

改良とバリエーション

このEN型エンジンは、約20年以上にわたり改良が施されました。排気量の増加、DOHC化、可変バルブタイミング機構の搭載など、技術革新が行われました。また、スーパーチャージャーや自然吸気仕様など、さまざまなバリエーションが存在しています。特に「CLOVER4」という愛称がつけられ、製造末期まで4つ葉のクローバーをモチーフにしたエンブレムが使われていました。

製造の最期

2012年2月28日、6代目サンバーの製造終了と同時にEN型エンジンの製造も終了しました。このエンジンは、特にスバルの軽自動車にとって重要な存在であり、その技術的な成果や特徴が今もなお多くのファンに支持されています。EN型エンジンは、スバルの歴史における象徴的なエンジンとして、多くのドライバーたちに記憶されています。

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