スバ経 (中部)

『スバ経』について

『スバ経』（スバきょう、巴: Subha-sutta）は、パーリ仏典の中部経蔵に収められた第99経です。また、別名で『須婆経』や『鸚鵡経』とも呼ばれています。さらに長部の第10経に同名の経典が存在し、類似する漢訳経典には『中阿含経』の第152経が挙げられます。この経典では、釈迦が若い婆羅門であるスバに向けて仏法を説いているシーンが描かれています。

登場人物と場面設定

物語は、釈迦がサーヴァッティー（舎衛城）にあるアナータピンディカ園に滞在している際に始まります。そこへ現れるのが青年のスバです。彼は婆羅門の家系に生まれ、出家者（比丘）と在家者（在家信者）の違いについて疑問を持って釈迦のもとを訪れます。

出家者と在家者の違い

スバは、釈迦に対して出家者と在家者の違いについて尋ねます。釈迦は、この二つの立場にかかわらず、善悪の行いにはそれぞれの果報が伴うと説明します。つまり、どちらの生き方を選んでも、その行動によって得られる結果は同じであるというメッセージを強調します。これは、彼が現実的に生活する上で重要な教訓であることが示されています。

五つの実践

その後、スバは婆羅門たちがよく唱える五つの実践について述べます。釈迦はこれに対して強い反論をし、根拠のない信仰で物事を判断することを戒めます。さらに、彼は「五蓋」「五欲」「四禅」「四無量心」などの教えを詳しく解説し、どのように心の清浄を保つことができるかに焦点を当てます。

法悦と三宝への帰依

スバは、釈迦の教えを聞く中で次第に法によって心が満たされていき、最後には仏教の三宝（仏、法、僧）への帰依を誓います。彼の心に宿った新たな信仰は、彼自身だけでなく、周囲の人々にも良い影響を与えることになります。帰り道、その様子を見たジャーヌッソーニもまた、釈迦を讃える真摯な気持ちを抱くことになりました。

参考文献

『南伝大蔵経・経蔵・中部経典3』や『パーリ仏典 中部（マッジマニカーヤ）中分五十経篇II』など、さまざまな翻訳と注釈書が存在し、学者や信者から広く研究されています。

関連項目

「在家」「五蓋」「五欲」「四禅」「四無量心」といった概念は、仏教の教えをより深く理解するうえで重要な要素となるため、興味のある方はこれらについても探究してみることをお勧めします。

外部リンク

さらに詳しい情報を知りたい方は、Subhasuttaṃ - Tipitaka.orgをご覧ください。

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